本読み少女と魔物の告白(あやクル)


「お前が好きだ」
「は?」

はい、皆様毎度お世話になっておりますナマエでございますけれども。
私は只今プリサイズ図書館におきましてですね、貸出期間を延滞した訳でも何か咎めた訳でもないというのに目の前の紅い魔物に拷問を「拷問ではない」うわなぜばれたし
……えー、こほん。
その紅は頬を赤く染めながら真っすぐ私の目を見て呟くと、私をぎゅっと抱きしめてきた。といってもすぐ私が振り払ったんですけどね。
というか一つ質問させて下さい。なんでいきなりこんな状況になったんですか?罰ゲーム?ねえ罰ゲームだよね?そうだと言って下さいお願いしますあや様。じゃないともう私のHPが持ちません色々な意味で。

「えっと、あやクルさん。今のは」
「真実を言っただけだ。……悪いか」
「いっ、いえ!そういう訳ではないんですけど……」
「なら何だ。私がお前を愛するのはおかしいか」
「滅相もございません!」

顔が引き攣る。彼はまだ私の目を見つめたままだ。
まさか魔物に好かれるとはーって違う違う。
確かに私はこの魔物、もといあやクルとはかなり親しい。でもそれは本に関して共通の話題があるのとたまたま好きなジャンルが被っていたから。ただそれだけ。
実際話題も本についてしかないし、それ以外で話したことは多分無い。最近ちょっとあやクルがいつもと違う話題を入れてきたこともあったけれど、その時は大体スル―していたし。
……なのに、なんで。
本好きなのが理由だとしたら、私以外にも本が好きでさらに私以上に話の合いそうな人なんて沢山いるのに。
むしろ最近は魔物と中身の入れ換わったクルークに恋焦がれる生徒とかそんな感じの生徒も結構居たりするのに。なんでよりによって私がこの人に好かれてしまったんですか。

ああ、ちょっと興奮しすぎちゃいましたね。
頭の中を整え、目を閉じ少し深呼吸をする。図書館の空気には嗅ぎ慣れたインクの匂いが混ざっていて意外と落ち着く。
……ようやく平常心を取り戻した私は、咳払いをして大きく一歩後ろへ退いた。

「どうした?突然告白されたことに驚いたか」
「それ以外に何の理由があって私はこんなに取り乱したんでしょうね」

溜息混じりの声で呟く。勿論その間も彼は私の目から視線を離さない。
そんなに見つめないで下さい、恥ずかしいというか凄く落ち着かないです。
彼は私が退いた分より大きく、二歩前に踏みだした。不敵に微笑みながら私に手を差し伸べる彼の姿は、まさに魔物といった感じで。
それでもさほど怖くないのは、クルークの身体だからなのでしょうか。
どちらにせよ、今の私はこの人に追い詰められていることに変わりは無いけれど。

「……ナマエ、こっちへ来い」
「嫌です」
「恥ずかしがる必要は無い。生物なら誰しも抱く感情だろう?……それとも、お前は私が嫌いか」
「嫌いではない、けど」
「ならいいだろう」
「何でそうなるんですか。大体あなたは魔物でさらに封印された魂のみの存在、私のような人間と結ばれる訳も意味もありませんよね」
「ほう」

彼は少し驚いた顔をして、また不敵な笑みに戻る。
心なしか先程より危険な目をしているように見えたのは気のせいでしょうか。

「お前は本当に面白い人間だな。そんなに私に無理やり染められたいのか?」
「な、そんな訳無いじゃないですか」
「強がらなくていい。……私をここまで本気にさせたのだ、今更手放すものか」
「え、」

刹那、彼の姿が消えたと思えばすぐ後ろにマントのはためく音。
左後ろに、あやクルが居る。
逃げようとしたけれど時既に遅し、先程よりも強く抱きしめられて身動きが取れなくなってしまった。
耳元で彼が喉を鳴らして笑う声が聞こえる。ああ、私は負けてしまったのか。

「心配するな。すぐにお前は私のことしか考えられなくなる」

視界が、彼の色に染まった。


………………………
昨日データが飛んだアレです。新しいの書こうと思ったんですけどネタがどうも……ねえ。
なんか体力使い果たしたか何かで早退させられましたあはは、ということでリアルブレインダムド状態での執筆でした。誤字脱字文章が異次元等良く分からない部分があったらそこは多分明日か明後日に直されることでしょう
眠い。
ちなみに分かってるとは思いますが最後の一文、間違ってもヒロイン死んだ訳ではないので安心して下さい
あと敬語ちゃん可愛い

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