現実逃避からの(シグ)



「ええええええええっ……」

よし、これは夢だ。問題ない。

「ナマエさん、これは夢ではありませんよ」

ああ、やっぱりダメだった。



図書室なう。
どうしようもない。
だって、赤点取っちゃったし。
どうしようもなく帰りたい。
現実逃避している気分だ。
……いや、してるけれど!!

でも驚いた。
私の右隣。
いつもならアミティがいるか、私一人だけど。
今回は違った。
目が痛くなりかけるまでこすり続けたくらい。
何たって、シグがいたからだ。
補習の提出用紙を黙々と解いている。
内容が少しだけ私と違っていた。

「?」

不意にシグがこっちをむいた。

「何でもないよ」
「………違う」
「?」
                                  
今度はこちらが疑問符を浮かべる番だった。              
何が違うの?                            
                                    
「ここ。おかしい」                        
                                     
左指が示す先は私の提出用紙の今、書いていたところ。        
                                     
「階段積みだけじゃない」                     
                                 
たしか、この問題は七連鎖するって……あ。             
これだけじゃあ確かにできない!  
そっか、だからここで折り返しをするんだ。

「シグ、ありがとう!」
「あー」

短い言葉。本当にシグらしいな。
そしてさりげなくシグの問題も見てみる。

「シグ、ここはカギ積みじゃないかな?」
「あー」

一言の返事をしながら書き直す。

「お互いさまだねー」
「だねー」

ゆったりゆったり時間は過ぎていき、
ゆっくりゆっくり二人で答えを書いていた。



==========
結局、甘い流れにならなかった。
どうしてこうなった。

自己満足のようなものですみませんでした!!


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