「ねえ、あやクル」
「何だ」
「あやクルの心臓が止まる時、どこで何をしていると思う?」
難しい質問だな、あやクルは読もうとして開いた本を閉じ、天井を見上げる。
寿命が長くとても強い、何より封印されてしまったあやクルにはもう「死」なんて言葉さえ忘れてしまっているのだろうか。
「そうだな。気に入った本に囲まれ、それを読みながらひっそりと静かに死にたいところだ」
「あれ、誰かに看取ってもらわないの?」
「……私の死に際など、見られてたまるものか。何よりその頃には皆私を忘れるか死んでいることだろう」
「えー」
彼はクスリと笑い、「まあ、貴様程度になら看取られても構わんが」と私に聞こえない声で呟いた。
本に囲まれる、確かにあやクルらしいね。
「では、お前は」
「え?」
「ナマエはどこで何をして死にたい」
「ほへ!?えっとー……」
質問を返されるとは思わず、少し動揺する。
私の死に際か……勿論、それはやっぱり。
「最期の最期まで、あやクル達と一緒にわいわい話していたいな」
「ほう。そこまでの元気があるかは分からんがな」
「うん。でもせめて皆には笑ってもらいたい。我儘かもしれないけれど、せめて私の心臓が完全に止まるまで」
どうせ死ぬならアミティ達と過去を振り返り、少しだけ泣きながら笑顔になるのがいい。
「生まれ変わったらまた友達になろうね」とか言ってさ。
泣きじゃくるままの終わりなんて嫌だ。意地でも笑顔でいてみせる。そう言うと、彼はふと私に近づき耳元に囁く。
「私はその命が尽きるまで、ずっとお前の傍に居てやろう。その代わりお前も私の下から離れるな」
そんなこと、言われなくてもわかってるよ。
………………
最後の囁きと前の文の関係が変になった
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