素直じゃなくて何が悪い(クルーク)


誰だよ、こんな時間にボクの家に来るなんて……ってナマエか。なんでボクの家に来たんだい?
……宿題で分からないところがあった?だからってなんでボクの所に来るんだよ。ボクは今自主学習で忙しいんだけど。
え、なんだよ急に。そんな謝らなくていい、っておい!どこ行くんだよ!戻ってこい!
確かにボクは忙しいけど、ナマエになら特別に教えてあげるよ。
有難く思いな、この多忙なクルーク様が特別に、だからね!
……え、やっぱり帰る?今更そんなこと言うなよ。
多忙なんだから私に構ってる暇なんて無いだろ、って……
い、いいんだよ!とにかくこのクルーク様がキミにだけ特別に教えてやるから!ほら、早く上がれ!

全く……で、キミができないって言ってたのはどこの問題だい?
問の13か。こんな簡単な問題すらできないのかい?折り返しの入門だよ?
仕方ないな、キミにも分かるようにボクが懇切丁寧に教えてあげるよ!
ほら、まずここに赤ぷよがあるだろ?これをここからここに移動して……
え、後はできるのかい?信用できないな、全部ボクが教えてあげるよ。
なんで、ってじゃあキミはこのボクに勝てるのかい?……無理だろ?じゃあ大人しく話を聞いてなよ。
勘違いするんじゃないぞ、ボクはキミのためを思ってるんだからな。
だからつまりをれをここからこう動かすと邪魔が消えるから、最後に青を置いて八連鎖だ。分かったかい?
分かったならそれでいいんだ。……それにしてもボクって本当に素晴らしいね。
だってこんなに天才なのにおまけに優しいんだよ?ボクより凄い人なんてレムレス以外に誰も居ないよ!
いや、レムレスも超えるかもしれないね!
……で、他に知りたいところはあるかい?問の14からは分かる?
なんだ、分かってるのか……いや、なんでもないよ。ただの独り言さ。ってちょっと待て!なんでいきなり帰ろうとするんだい!?
用が終わったから帰るのは当たり前……って、もしかしてボクにお礼の一つもしないのかい?
「ありがとう」ってさっき言った?そんなのじゃ足りないね。このクルーク様への感謝の気持ちをもっと表して貰わないと。
例えば?そうだな……ボクのために紅茶を入れて、それから一緒に本を読んでくれたら許してやってもいいよ。
むしろボクの邪魔になってないか?いいんだよ、ナマエはボクの言うことに従っていれば。
でも、時間が心配?……そうだね、確かに今から本を読み始めたら夜の九時、お子様は寝る時間か。
それならボクの家に泊って行けばいいよ。教科書を忘れる?それならボクが貸してあげるよ。
だから、つべこべ言わずにさっさと本と紅茶をボクに捧げな!

……あ、一つ言い忘れた。
ボク以外の人から勉強は教わるなよ?キミにはボクの教え方以外で教えられてもどうせ分からないだろうから。


…………………
何これ。
盛大にナルシストなクルークが書きたかった。

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