伝えたかった(レムレス)


※夢主病み。
ヤンデレになりきれなかった女の子のお話


私は、あなたが好きでした。
苦しいくらいに大好きでした。
でもこの思いは届かない。
この手はもう、彼に触れられない。

いつからだろう、彼を好きになったのは。
きっと答えは出ない。
ずっと前からとにかく大好きだった。
告白しようと何度も思った。でも、できなかった。
彼の近くにいた女の子。
あの子が彼と私を遠ざけたから。
私は彼女が妬ましかった。
でも、なにもできなかった。
自分が壊れてしまうきがして、怖かった。

いつぐらいだろう。
そして、彼女は彼に告白した。
見てしまった。
一番見たくなかったものを。
彼はどう返事したのだろう。
聞く前に逃げてしまったから、それは分からない。
でも、彼女と彼はずっと一緒で仲良しだった。
だから結果はみなくても分かる。
悔しかった。
苦しかった。
私の大好きな人を奪われて。
でも、やっぱり私は彼女を恨めなかった。
私が、弱虫だから。

こんな弱虫な私、彼に似合わないよね。




それなら、いっそ。


「ナマエ?ナマエ!しっかりしてよ!!」

遠くで誰かの声がする。
とても愛しい、優しい声が。
お願い、眠らせて。
もう私がここで生きている価値なんてないのだから。
ねえ、「レムレス」。

「ナマエ、嫌だよ。どうしてこんなことをしたの?ねえ、」

その声はさっきの場所からさらに遠のいていく。
ああ、そろそろ終わりなんだ。
なにもかも、なにもかも。

「さよ、なら」

「ナマエ!」

ごめんなさい、レムレス。大好きでした。
でも、もうおしま い

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