紅観察日記。(あやクル)ぷよクラ設定



「あやクル、お茶の準備ができたよ」
「要らん」
即答。
目の前の紅は本から少しも目線を動かすこともなく、冷たく言い放った。
……こいつは常に本を読んでばかり。
少しくらい私達に興味を持ってくれてもいいのにさ。
観察日記をつけようかとちょっと前から粘着してみたものの、このままでは白紙で終わりそうだった。
第一この人私が好きとか言っておきながら実際そうでもないよね。
レムレスのせいでもあるんだけど。
「……あやクル」
「黙れ」
「断る」
この人が口にする言葉といったら、十中八九命令とため息程度だ。
本気で制御シュシュ強化してやろうか。
「はあ……やっぱりあやクルを観察対象にしたのが悪かったか」
そう思いたい。
というか絶対そうだ。
クルークなら少しくらい動いてくれるけどこの魔物の場合人脈というものが皆無に等しい故本を読む意外何もしてくれない。
諦めよう。
そう思って立ち上がると……いきなりコートの裾を掴まれた。
「放してよ」
「断る。貴様は一つ訂正し忘れていることがあるからな」
へ?
何を訂正しろと?
今までの発言をリピートしてみるも、特に変わった点は無い。
「訂正?何も間違ったことなんて言ってないよ」
「……フッ」
背後であやクルの笑う声がしたと思えば、私はついさっきいた場所……より下がり、何故か彼の隣に座っていた。
「何のつもりですか」
「貴様が私を観察していたのではない。私が貴様を観察していたのだ」
「はい?」
いきなり意味不明なことを言われ、気の抜けた声が出る。
その半開きになった口を、あやクルがふさいだ。
「なっ……」
「丁度退屈していたところだ。少し遊べ」


その後、私が持っていたレポートノートには殴り書きの字でこう書かれていました。
「結論:鬼畜」
興味なんて持った私が馬鹿だった。うん。


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