エピローグ「真実探して」


「きょーじゅうううううう!!」

 中途半端にグダった感じで戦闘が終わった後、気付いたときには私たちは教授の家に居た。

「なんだろう、たかしがびっくりするぐらい五月蝿い」
「お、やっと起きたか。お疲れ」
「おうよ……あれ、きせのんと戦犯どらは?」
「ぱんどら達は一旦家戻ったよ。お前が家に置いて行ったもの取りに行ってくれてる。で、きせのんならお前の横で泣きながら寝てる」
「マジか……え?」

 確かに目の前に馬鹿でかい水色の何かが置かれているのは気付いていたけれど、もしかしてこれ……きせのん?

「今起こさない方がいいと思うぞ、俺みたいな状況になるから」

 横から飛んでくる教授の声。見てみると背中にたかしがべったりくっついていた。お前は教授の彼女か。

「ずっとお前が目を覚まさないーって泣いてたからな。起きたらお礼言ってやれ」
「おうよ」

 寝ぼけまなこをこすりながら大きく伸びをする。それにしてもなんだろ、一気に平和になったな。肩の荷が下りたと言いますか。

「あ、そうだ。俺からも言っとくわ。ありがとう」
「唐突な上にやめろ気持ち悪い」

 気持ち悪いってなんだよ、と笑う彼はやっぱりいつもの教授だ。戦っていた時とは違って顔色も普通だし、何より目が優しい。

「そうだ、ちー様は?」
「ああ、あいつか?あいつはだな……」

 一瞬表情を暗くする教授。一体何があったんだ、あの人に。

「どうやらあいつも俺と同じく操られていたらしい。……しかも裏には猫が居る可能性がある」
「え」

 なにそれこわい。一番立ち向かって行けないじゃんドユコト?

「ここへ来てジバニャン最強説再びか。というか待ってなんでちー様操ってんのあの人」
「知らん。そんなの本人に聞いてくれ」

 なんだろう、三次元と二次元の差があまりにも大きすぎて私は現在進行形で狼狽えているよ。最近ちー様休み多いとか思ってたらそのせいか。

「どうやら先は長そうですね」
「ああ。でも俺とぱんどらとお前が居ればなんとかなるだろ。運の良さだけはズバ抜けてるし」
「まあね」

 そんな感じで談笑している中、戻ったぞー、と入り口の方から声が聞こえた。それが誰の声かなんてわかりきっている。

「お帰りなさい、それからお疲れ様でした。ありがとうございます!」
「お、おう?どうした突然」

 突然の挨拶ラッシュに茫然とする戦犯どら。何故か「こいつ生きてたのか」みたいな視線向けられてるけど気にしないよ!

「ついさっき目が覚めたんですよ、そいつ」
「ああ、やっぱ生きてたのか」

 うわーい疑惑が確信に変わったよ本当にこの人私が死んだと思い込んでたよ!いやいいけど!戦犯どらだし!

「そりゃ流石に生きてますよ。荷物何のために取りに行ったんですか」
「……金目の物を探すため?」
「なにそれひどい」

 戦犯どらは流石に冗談だと笑い、教授も「これはひどい」といつもの独特な爆笑を始める。ああなんだろう。この聞きなれた笑い声に溢れた空間が凄まじく懐かしい。

「よーし!それでは教授、次回の行動予定をどうぞ!」
「知らねえ!猫が動き出したら俺たちも動く!それまでは平和に暮らす!以上!」
「Yes!」

 やっと三人揃ったし祭りにでも行こうよ、と騒ぎ始める私たちと太鼓。
 何故か始まったドンだー三人衆の物語は、まだ始まったばかりだった。

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