Verse1"That's like a mic relay"『ぷよぷよ!!クライシス』


「……ふう」

レポート用紙の五十枚目を書き終わり、私は天井を見上げ息をつく。
究極に疲れた。時刻は午前一時を回っていたけれど、レポートはまだ私の研究所とサタン(様)の城の紹介しか出来ていない。
――今回の課題は『魔導界の名所を紹介する』。母から出された課題で自分の世界を見つめることで何か変化が起こるとか起こらないとか。
正直意味不明だけど、まあ暇だったのと半強制的に押し付けられたので仕方がなく。
その結果……ご覧の有様だけどね。何も分からない。

「んー……面白いくらいに何も出てこない」
「た・だ・い・ま、フェノ。少し遊びに来たよ」
「わお何処から湧いてきたんですかレムレスさん」

そして思考を邪魔する緑の魔導師。相変わらずそれなりにべったりすぎる。
さーて、どうしたものか……

「……そういえば少し前に話してくれましたよね、レムレス」
「何をだい?」
「別の世界の話です。所謂パラレルワールドというか……確かあやクルが封印される前の話とか」
「ああ、そういえば少し前にしたっけ」

パラレルワールド。私の管理できないもう一つの『この世界』。
同じ場所、空間なのに世界が違うだけで色々なものが全く違う。例えば何処かの世界には綺麗な向日葵畑があったりとか。
行ってみたいな……そんな魔法絶対使える筈無いけど。

「……行ってみたいなー、いつか」
「へえ、フェノも興味あるんだ。僕もいつかは行きたくて時空間魔導の練習をしてるんだよ」
「ってことはレムレスでも無理、と?」
「うん」

……レムレスにも無理なのか。予想はしていたけれど少し意外だった。
どんなに魔法の力が強くても不可能なことはある、ということなのかな。
私は浅く溜息を吐き、いつもの実験のため席を立ち高速で鍵部屋に入って行った。





「と思っていた時期が私にもありました」

……というのが、一昨日の話。
今目の前にあるのは、なんだか物凄く不思議な形をした宇宙船的な何か。
どこかで見たことあるぽえーんなデザインの――空間移動装置だった。
いや……魔法で出来ないなら化学の力を使えばいいじゃないとか思ってたけどそういうレベルじゃないねこれ。
どこぞのドーナッツな博士もビックリだよ。


どうしてこうなったんだろう。苦笑いを浮かべつつその完成したばかりの機械に近付く。
コックピットは一つだけ、つまり行くとしたら私一人でしか行く事が出来ない。
そして理論上はこれで行けるけど数式上で自分の身体を微分積分してるんだなこれが。
……生きて帰ってこれるか、そもそもその空間をリサーチして辿り着くことなんて出来るのか。
なんかとてつもなく不安だ。遺書でも書いておくべきかな、これ。

「……どうするべきなのかな、これ」

でも完成させたからには乗ってみたい、命を賭けてでもその世界に行きたいのは確かだ。
その時はその時で多分新しい十界の主が生まれてくれるはずだし。


よし、じゃあ乗ろうか。

「ほいっと」
『スペースワープシステムver.13.4起動、これより別空間への介入を行います』

言うまでも無く答えは一つしかなかった。私は設計通りに造られたコックピットに乗り込み適当に空間ID候補を打ち出す。
テストを何回も重ねただけあって、殆ど見慣れた安全と思われる数値の世界が出てきたようだ。
その世界のモニタチェックとその他色々を済ませ、最後に適当な書き遺し。

「……いってきます」

後はドアを閉めて、赤いレバーをゆっくりと引いて――



………………………
で、どこの世界に行くんでしょうね。
発足無駄に遅くなりました。お次はしょうりん Are you ready?

ちなみに今回の小説……予め言っておきますが10000hit記念ページで設定した名前が流用されているため物凄く名前に矛盾が発生する可能性が高いです。特にデフォルトの名前を使用している場合どっちがどのフェノだか分からなくなったりします。
でもだからといっていちいち戻って名前の設定をするのも萎えますしこちらで規定の名前を指定するのもそれはそれでアレですし……と。
今のところ小説が増える度に変換入力先が増えていくような形を最終手段として考えています。
意味不明ですねごめんなさい。取り敢えずまだ未定の部分が多いということです

そういや明日あやしい人と青い子の誕生日ですね。何をしてやろう

prev next


(1/1)
title bkm?
home





「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -