※久々の東方
――幻想郷の朝は早い人は早い。私は残念ながら遅い方の人だ。
でも、そんな私だとしてもたまには早く起きて何かしたくなる時がある。
ということで今日はいつもより早い時間に外に出、暇だったのでつい最近人里の近くに復活したらしい寺に行ってみることにした。
朝日が眩しい。どこぞの闇の妖怪は多分今頃森の中かどこかを迷走しつつ消えかけていることだろう。二色巫女と魔法使いは言うまでも無く熟睡中だ。
それにしても今日は無駄に早く置きすぎたな。寺は果たして開いている「うらめしやー!」「おはよーございます!」
「……うおっびっくりした」
「「反応遅い!」」
……うん。多分こいつらが居るってことは開いてるね。
妖怪と山彦のツーショットとかあまり見たこと無いけど幻想郷なら仕方ない。どうでもいいけど二人とも耳元で叫ぶから凄く五月蝿い。あと驚かないといけないからめんどくさい。
「はいはい。おはよう響子、小傘」
「おはよーございます!……じゃないよフェノ!なんでそんなに無気力なんですか朝から!」
「また驚いてくれなかった……やっぱり小傘じゃ駄目なのかな……」
「仕方ないじゃない私は昼の妖怪なんだからってか小傘くっつくな!」
少し遠い空を見ながら溜息を吐く。ぼーっとしながら歩いていると意外と目的地へは早くつくもので、どうやら傍の墓地まで既に来ていたようだ。
まあ、そうしないとこの二人には出会わない訳なんだけど。
「ところで今日は何のために来たの?フェノ」
「ん、そういやなんでなの?」
「あー……まあ早起きしちゃって暇だったからありがたい説法でも聞きに来ようかと」
何故か聖の噂はこっちの世界でもとんでもなく有名だ。何でも妖怪にも優しい寺だとか何だとか……
人間側の妖怪からしたら普通な話だが、人間から恐れられている妖怪からしたらさぞかし素晴らしいお寺だそうだ。私前者だけど。
……ただ、問題は私がこれを言った直後に二人の目が光ったことかな。すっごく嫌な予感がする。
「へー……じゃあつまり今日は暇なんだ?」
「え?まあうん。定時までならね。夕方六時」
「じゃあ余裕だねえ……響子ちゃん?」
「大丈夫だよ小傘、用意はしてある」
どうやら嫌な予感は予感じゃないらしい。
私は逃げようと少しずつ後ろに下がろうとするけれど……あ、傘に引っかかった。
「逃げようとしても無駄だよ、フェノ」
「え、あの、ごめ、急用を思い出して」
「さっき暇って言いましたよね?」
「……」
私は何をされるんだろうか。背中に冷や汗が伝る。
朝っぱらからなんでこんなに物騒なんだろう。私はただ有難い説法を聞きに来ただけなのに。
……妖怪が朝早起きするってこんなに得にならないものなのだろうか。
「さ、フェノ。行きましょう?」
「え?ど、何処に行くのよ」
「勿論……ね?」
だから何処なんだっての!
二人は完全に私の言葉を無視し、早速その何処かへ行こうと張り切りだす。
残念なことにもう逃げることは出来なさそうだ。
「よーし!久々にやってやろうじゃないの!驚かすぞー!」
「待ってて下さいね、すぐ掃除終わらせますから!」
「終わらせなくていい!なんか行った瞬間私の存在自体が消える気がする!」
……さあ、どうする私。
………………………
後半俺の頭がビックバンした
結果意味が分からなくなりました。
(7/7)
title bkm?
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