まぐろ


『ナマエ:まぐろくん、そっちはどう?』
『まぐろ:やあナマエちゃん、久しぶりだね★勿論みんな、元気にしてる……よ★』
『ナマエ:それならよかった。……はあ、一体私はいつになればそっちへ戻れる事やら』
『まぐろ:そうだねー、りんごちゃんもりすくませんぱいも心配してるし、ね★』
『ナマエ:……ねえねえ、その語尾にほぼ必ず付く★はチャットでも取れないの?』
『まぐろ:さあ……ね★』

ふう、椅子の背もたれに寄りかかって溜息を吐く。
何故かは知らないけれど最近プリンプにパソコンが流れ込んできたらしく、私は即効で某メッセンジャーソフトを召喚して外の世界に居るまぐろくん達と話すようになった。
お陰さまで最近寝不足です。外の世界の話がとても懐かしくて面白くて、気付けば深夜だったなんてことが毎日。でも慣れることはない。一応まだ三日目ですもの。

『ナマエ:はあ、それにしてもやっぱり……早く元の世界に戻りたいなあ』
『まぐろ:そう?そっちの世界も結構楽しかったと思うけれど……★』
『ナマエ:うん。確かに楽しいけれど、やっぱりまぐろくんやりんごちゃんと話せないのはなんだかすっごく嫌だな』
『まぐろ:……そっか』
『ナマエ:なんというかさ、やっぱり慣れないと言いますか』
『まぐろ:僕もそうだね。ナマエちゃんが居ないとやっぱり寂しいよ。いつも一緒に居てくれた……友達、だからね』
『ナマエ:そうだね……ってなんでいきなり★マークが消えたのかなまぐろくん』
『まぐろ:おっと★……気のせいだよ、ナマエちゃん』

絶対気のせいじゃない。実際ログとして残っているし。
というかそれだけじゃない。「ヘン」でこそようやく普通なはずのまぐろくんが思いっきり普通の文章書いてた。これはおかしい。だいぶおかしい。
いや、だから何っていう話だし聞く限り特に困ったこととかも無さそうだけれど。

『まぐろ:ところでナマエちゃん』
『ナマエ:む?』
『まぐろ:そろそろバレンタインだけど、チョコレートは作ってるのかい?』

ぐはあ。なんだかすっごく痛いところを突かれた気がする。しかも先の尖った何かで。


『ナマエ:あー……一応作ったよ、一応。でも』

prev next


(6/7)
title bkm?
home





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -