シェゾ・ウィグィィ


「なぁ、ナマエ」
「なーにー?」
「今日は何の日か……知ってるよな?」

その言葉を聞いて、私はピンときた。
私は満面の笑みを浮かべて言う。

「へぇー、あのヘンタイがねぇー」
「ヘンタイって言うな!!」
「あれを欲しがるとはねー」
「あれって何だよ!!」

自分で言って置いて聞くなよ。
それにしても珍しい。
いつも、自分から『〜がほしい!』とか言ってるクセに。
遠回しに言うなんて。
しかも人の家に入ってまで……まぁ、遊びに来ただけなんだろうけれど。

「ヘンt……じゃなかった。シェゾ、君が欲しい物を当てて上げようか?」
「ヘンタイって言いかけただろ……まぁいい。当てられるものなら当ててみろ」
「上等!」



さて。
ちょっとカッコつけて推理してみよう。

今日は何日だ?
そう、2/14だ。

ついでに何の日だ?
もちろん、バレンタインデーだ。

最後に、一般的にどういう日だ?
一般的に言うなら、女子が男子にチョコを渡す日だ。

ならば、答えは一つ。

「つまり!君はチョコが欲しいからここに来た!!」
「………」

シェゾは何も言わない。
少し悔しそうな顔から、図星なんだろうなーと想像する。

「違う?」
「………」

相変わらず何も言わない。
ただ、下を向いているだけだ。

「ごめんね。今年は誰にもチョコレートを渡さないことにしたんだ」

正直、お返ししたり好みとか考えるの、難しいし。
前からそう思っていたから、今年は何もしないって決めたんだ。
シェゾ、ふてくされるにもほどがあるよー。
私はシェゾに近づく。
その瞬間。

「ナマエ」
「はい?」

いきなり振り向いた。
おい、そのおかげで君と正面衝突をするところだったよ?

「ホラよっ」

そういって手渡したのは、小さな袋。
丁寧にリボンまでついている。

「シェゾ……?」
「作ったモノはしょうがないだろ」

袋に視線を落とすと、中にはチョコが入っていた。

「ロシェ……あれだ。ナッツとか入っているヤツ」

なるほどねー。あれ、でも何でこれを私に?

「ハッピーバレンタイン……だろ、ナマエ」

ああ、そうか。
シェゾは私にこれをくれたんだ。
今日はバレンタインだから。
きれいな形をしてるチョコは美味しそうだった。
もらったからには、お返しを考えなくちゃね。



「ところで、私と自分の性別。間違えてないよね?」
「間違えるかっ!逆でもいいだろ!!」



==========
というわけで、シェゾver.(×の人)でした!
何でしょうね。結局、ギャグ調になってしまいましたが。


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(3/7)
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