誰かに送ろうとした没ネタ(クルーク)


「おいっす!」
「ひゃあっ!?」

勉強中のクルークに声を掛けると、高確率で悲鳴を上げてくれる。ああなんて面白いんだろう。
いつも通り彼は背中を大きく震わせ、おそるおそる後ろを振り返る。

「な、なんだ、ナマエか……驚かすなよ」
「ふはははは。もう五千六十七回目なのに相変わらず慣れないねえ」
「まだ五百三十二回だよ!それと集中してる時に大声出されたらそりゃ誰でも驚くさ!!」

クルークは顔を真っ赤にしてこちらに襲いかかってくる。おおこわいこわい。
取り敢えず横っ跳びに避けてみると、彼は私の髪にグレイズした後物凄く典型的な感じで壁に激突した。
ああ、うん。面白い。なんだこいつ。

「いてててて……」
「ざまあ」

トドメと言わんばかりに皮肉たっぷりにそう言ってやる。
これでクルークはブチ切れて今日もまた騒がしくなる……と思っていたけれど、クルークはうめき声を上げるだけで立ち上がる様子が全くと言っていいほど無かった。
あれ、もしかして急所に直撃した?
近付いて彼の様態を確認しようとすると――不意に、彼は立ち上がった。

「うわ」
「ナマエ、せめて受け止めることぐらいしてくれよ」

呆れた声でそう言いながら、クルークは私の目を一瞬だけ見つめる。
え、何これ。こいついつものクルークじゃない。
困惑する私をよそに、彼はベストに付いた埃を払いながら机に戻り、こちらに目を寄越さぬまま呟いた。

「今日の夜は学校の体育館へおいで」

何をするつもりなんだ、この人は。


………………………
何処かの誰かさんが誕生日だと聞いてちょっと下書きしてみたらこうなった
どうしてこういっつも前置きが長いんだ、私の文は。
ということで長くなりっぱなしも嫌だったのでお蔵入り。新しいの頑張って作らなければ

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(5/31)
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