「ねぇレムレス」
呼びかけた声に反応して緑色の人はこっちを向く。
「私はどこから来たんだっけ?」
問いかけの言葉に、やや間が空いて、
「覚えていないの?」
と返ってきた。
「なんか、思い出せなくて」
青い空を見上げながら私は言う。
「そっかぁ」
レムレスも空を見上げる。
「僕が答えていいのなら」
私は頷く。
「ナマエは、僕の知らない異世界から来たんだよ」
あぁ、そうだったんだ。
「そうだった」
本当に忘れていたみたいだ。
「思い出したんだね」
レムレスはこっちを見て微笑む。
「ナマエ、これで24回目だよ」
そうなんだ。
「そんなに聞いても思い出せないなんて……」
私は変だなぁ。
「大丈夫だよ。さぁ」
そう言って、どこからともなく小さな虹色の砂糖菓子を取り出す。
「どうぞ。ナマエ」
受け取って、口に放り込む。
「甘くて美味しい」
率直な感想を述べる。
「それは良かった」
そして立ち上がる。
「もう、これで君は帰れるよ」
私も分かっている。
「これは、幻想なんだよね。レムレス」
レムレスは首を振る。
「幻想じゃなくて――」
「――夢」
目を覚ますと白い天井が見えた。
「部屋……」
小さく呟き、窓の外を見る。
「レムレス……彗星の魔導士」
ちゃんと覚えている。
「あら、ナマエさん。まだ起きあがっちゃダメですよ」
看護士さんが私の方を見る。
「あら、綺麗な青空ね。さっきまで雨が降っていたのに」
たくさんの建物が窓を覆い尽くす。
「先生」
看護士さんはこっちを向く。
「私は、異世界に行けるのでしょうか?」
不思議そうな表情をし、やがて笑っていった。
「信じていれば、どこへでも。そのためには、まず退院をしなくちゃね」
窓には、いつの間にか虹が架かっている。
「レムレス……」
たとえ、それが夢であっても。
いつかあれみたいな虹の道をくぐって、私はあなたに会いたい。
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作風が定まりません。
まともに小説が書けません。
レムレスとの夢のような出来事を書こうとしたら、本当に夢オチになった。
明日という名の希望に向けて。
私もこんな体験をしたいなぁと思いながら気の向くまま書いてみた。
ボツ。
(28/31)
title bkm?
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