「お前なんか嫌いだ!」
「ええー?ナマエちゃん、いきなりどうしたの?」
「嫌いだから話しかけるな」
「うわー……ホントにどうしちゃったの?」
自室。
私が午前中からエコロを召喚……じゃなかった、呼び出したのは訳がある。
今日こそハッキリ言うためだ。
「何度も言っているだろ?お前なんか嫌いだって」
「えー」
そう、エコロに『嫌い』って言うためだ。
今まで、どんなにたくさんの悪戯に巻き込まれたことか。
迷惑を通り越して、怒りも通り越して、呆れるくらい。
「冷たい態度だし……嫌いって言われちゃうし……」
予想通り、相当落ち込んでいる。
そこで私は急に笑いがこみ上げてきた。
「ふふふ、ははっ、あははははははっ!召喚したかいがあった!!」
「!?」
突然笑い出した私に驚いたのであろう。エコロがこっちを見ている。
そりゃあ、そうだ。
一応の為、日付を確認する。
「エコロ、今日は4/1。エイプリルフールを忘れた訳じゃないよね?」
「ああ、そっかぁ!!」
さっきまでの暗い表情が一転、笑顔に戻る。
やっぱりこうでなくちゃね。
「軽い嘘ならついても良い日。だからふざけてみましたぁー!」
「そっかー!僕もそうしてみればよかったー」
「ふふふ、今更遅い!」
「いや、まだまだ午前中だー!」
思いっきり笑い転げた。
やばい、体が重い。笑いすぎた。
「ナマエちゃん、笑いすぎだよー」
「まぁねー。でもエコロよりは笑いすぎてないよー」
そしてまた笑う。
床をバシバシ。
足をバタバタ。
幸い、ここは一階だ。響く心配はない。
「さぁて……このまんまいろんな人に言ってみよーう!」
「わーい!」
だがしかし。とんでもないことになった。
何もないところで思いっきり転んだせいだ。
痛いよりも先に体が重くなった。
うわぁ、なんだこりゃー。
「あれ、ナマエちゃん?どうしたの?」
エコロの心配そうな瞳が覗く。
それすらも霞んでいるように見え……る……。
「ナマエちゃん、これも嘘じゃないよね?」
「うん、これは本当」
いつの間にかベッドへ強制送還。
あれ、時計がもう午後の時間になってる。
「……ナマエちゃんって高熱ハイ?」
「もちろんさー☆」
エコロがちょっと複雑な顔をした。
まぁ、予想外のことも含めて、振り回せたということで。
ちょっとだけ、満足してます。
==========
エイプリルフールの謎の日。
話がごちゃごちゃになったため、こっちへ移動。
……もうちょっとだけ振り回したかった←やめなさい
※高熱ハイ……高熱になるとハイテンションになる人のこと。
ちなみに私も高熱ハイです。普通にゲームしたり走り回ったり←
(19/31)
title bkm?
home