Scarlet Eternity...(あやクル)


「……」

静かすぎる真夜中、ふと目が醒める。
母も父も居ない、自分の部屋。近くにあった時計の針は止まっていた。

「あれ……?」

おかしいな、寝る前まではちゃんと動いてたのに。……電池切れ、かな?
まあいいや、深く考えないようにしよう。取り敢えず寝たまま大きく伸びをして、もう一度目を閉じる。
……眠れない。
異常なほどに目が冴えてて眠気が来ない。なんで。昨日何かしたっけ。
したとしてクルークから貰った不審な飴食べてそれから草食竜のごとくキャベツをひたすらもしゃもしゃしてたくらいしか……
あ、それだ。怪しい飴だ。よく考えてみたらあの時のクルーク何か紅かったし。

「……後でブン殴っておこう」

私の貴重な睡眠時間をことごとく削りやがるとは。目覚めちゃったものは仕方ないけれど。
深い溜息を吐き、少し眩む頭を抑えながら立ち上がる。
取り敢えずリビング行こう。うん。


部屋を出る。光景がなんかおかしかった。
まず、自分の部屋と廊下を繋ぐドアと廊下と一階へ続く階段しかない。
それからなんか回りがうねうねしてる。それはまっ黒なんだけどどこからか光が差して手暗くは無い。
簡単に言うと異次元空間。何この家。
夢……ではないよね。こんなに自我がはっきりしてるんだし。

「ほへ……」

さあ、どうするべきか。このうねうねっとした未知の空間をものっそい調べたいんだけどなんだか下から物音がする。けど階段が私の知ってる我が家の階段じゃない。
異空間とか初めて来たし喜びたいけどどうやら無理そうだ。まずは叫ぶところから始まりそう。
いや、叫んじゃ駄目か。いくらここがい空間といってもあくまで時刻は真夜中。こんな時間で叫んだら近所の人に迷惑がかかる。
正直に言うと叫ぼうと思ったけど面倒で止めただけなんだけど。
って、違う。取り敢えず落ち付け私。
そしてリビング(いかにも別の世界に繋がっていそうだけど)へ行くんだ。そして水を飲もうそうしよう。
何で水なのか?知らない。だって喉乾いたし。


そーっと、そーっと。足音を立てぬよう静かに階段を降りる。
その先にあったのは……城。
何故かは知らないけれど、そこは古代タトゥーンダ城だった。
しかも近くのドアを開けた先にある今私がいる部屋は図書館みたいな場所。本が沢山並んでいてなんか頭が痛くなりそう。
でも忘れてはいけないのは、一応ここは私の家であること。正確には「だった」の方が正しい気がするけど突っ込んだら負け。というかこれでも一応階段を降りた先にあった部屋なんだ、間違いない。
……ああ、なんでこんな異次元になってしまったんだろう、この家。
溜息を吐こうとした刹那、遠くから声が聞こえた。

「――ナマエ」

え。心臓が一瞬だけドキリと大きく鳴った気がした。
今、誰かが私の名前を呼んだ気がしなくもない。なんとなく今日の紅くなったクルーク声と似てた気も。
でもなんであいつの声がこんなに低くなってるの?声変わり?というかそれ以前に私の家(もとい古代タトゥーンダ城)にいるわけ?
分からん。でもきっとあれだ、きっと私と同じように異次元空間にでも巻き込まれたんだろう。

「ナマエ、其処にいることは分かってる。今すぐ出て来い」

再び発せられたその声は、先程より明らかに近付いていた。
さあ、奴のまえに姿を晒すか逃げるか。まあ逃げる気なんて更々無いけれど。
でも折角だし昼の仕返しも含めてちょっと困らせたい。透明化の魔法でも使って困惑させてみようか?クルークの困る顔とかあんまり見ないし結構面白そう。問題は見つかった時だけど。
まあいいや、四の五の言わずに取り敢えずインビジブルを――

「私の命令に従わないとはいい度胸だな」

――何、今何が起きたの。
目の前には紅色をした少年、彼は魔導で見えなくなったはずの私の左腕を掴み、鋭く睨んだ。
ワインレッドのマントが風の抵抗で煽られ、大きくはためく。
何かが違う。彼はクルークのようでそうではない。それにこの瞳と魔導、どこかで――

「言ったはずだ。私の命令は絶対だと」
「その口調、もしかしてあや……」

紅は何も言わず、ただシニカルな笑みを浮かべる。言われなくてもわかる、この感じは間違いない。
――あやクル。もとい、あや様だった。



…………………
はいここまで。熱出してる中やたら一生懸命頑張ってました。何この異次元な文章は
どこぞの魔法使いの城の冒頭の「探したよ」と過去の「未来で待ってるからー!!」の繋がりに感化されて作った物体である。おおカオスカオス
取り敢えず突然異次元と夢主家繋ぐのやめようぜ私

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(12/31)
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