Chapter.6


「それで?何の用ですの?ナマエ」

翌日、普通に学校に来ていきなり相談を持ちかけられたラフィーナは戸惑っている。
それなのに普通に聞いてくれる。

「だって相談できそうなのがラフィーナくらいしかいないし」
「それってまさかとは思いますけれど?」
「多分、そのまさか」
「……ですわよね。天然系鈍感少女、ナマエですから」

私には、その天然……なんとかっていうのが、理解できないからおいといて。
ラフィーナ自身には、私がこうなることを分かっていたらしい。
だから昨日あんなことを……!

「ラフィーナって超能力者だったんだね!!」
「……ナマエ、私はこれ以上あなたの思考回路にはついていけなくなりそうよ」



私は昨日のおさらいを含め、ラフィーナに話した。
朝、クルークに告白されたこと。
休み時間、アミティやラフィーナにそのことを話したこと。
図書室に行ったらクルークといろいろ話していて、追い出されちゃったこと。
そのまま屋上に行って、クルークと朝の話をしたこと。
返事は明後日に聞くことも。

「ね!非日常みたいでしょ!?」
「そんなこと、あなた一言も言ってないじゃない!」

そんなことはともかく、そう言ってラフィーナは近くの椅子に腰掛けた。

「ナマエはどう思うの?」
「クルークのこと?」
「ええ」
「そうだなぁ、面白くて、頭が良くて……」
「その思うではなく!」
「例えば?」
「例えば……」

そう言って少しの間、ラフィーナは黙り込んだ。

「例えて言うなら、近くにいるとドキドキするとか……心当たりは?」
「あー、ある!」
「ええっ!?」
「近くにいると、心臓の音が……」
「それも違いますわ!!もう、これは漫才ではありませんのよ……」

はあっ、と大きな溜め息。
そして座りなおす。

「ドキドキするっていっても、その人の近くにいると、そうなるというか」
「うんうん」
「そのほかにも、この人とだけ手をつなぎたいなーとか、考えるだけでドキドキする
 とか、この人とだけ……あー、これはナマエには早すぎますわ」
「えー」
「まぁとにかく、そういうことがその人限定で起こると……」
「起こると?」
「立派な恋への第一歩ですわ!!」
「おおー!!」

なるほど。
前より分かった気がする。
つまり、もしクルークの近くでそういうことがあれば、『恋』というわけなんだ。
そうなんだ。

「ありがとう!勉強になったよ!」
「まぁ、ナマエのような例外を除いて、これは女子として普通のことですわ」

そ、そうだったのか……。
今まで自覚がなかった私って……。

「大丈夫ですわ!いまここで分かったのですから手遅れではありませんわ!」

うん!ありがとう、ラフィーナ!!



「ちなみに、アミティさんはどうやっても理解してくれませんでしたわ」
「えー」



==========
ちなみに私も手遅れです。
例外の一部といってもいいくらい手遅れです。


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(8/19)
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