Chapter.2


「それで、ナマエは!?どうしたの?」
「考えさせて、とだけ」

実際どうすればいいかわからなかったし。
ほら、よくあるパターンで、返事は少し待ってくれ、とか言うの。
それを真似しただけなんだけど。

「いい?ナマエ」
「何?」
「その返事、よく考えて結論を出しなさい。それがナマエの為だと思いますわ」
「でも……」
「でも、何ていけませんわ!」
「そうじゃなくて……どう考えればいいの?」

その途端、ラフィーナとアミティはずっこけた。

「だ、大丈夫?」
「このくらい、何ともありませんが、ナマエってここまで鈍感だったかしら……
 アミティさんはともかく」
「えー?」

そこで二人は倒れた椅子を起こし、座り直す。

「とりあえず、その告白の返事をどうするかを考えなさい……どうしても、
 っていうなら、できる限り相談に乗ってあげますわ」
「なんかあったら教えてねー!」

そんな言葉を残し、二人は元の席へ戻った。
やっぱり難しい。恋愛というモノは。
クルークの席に目をそっと向ける。
相変わらず本に熱中していた。

「さぁ、授業をはじめますよ」

アコール先生の声とともに、私の思考は別の方へ飛んでいた。



――ナマエ、話があるんだ――

――何?話って――

――単刀直入に言おう。どうやら僕は君のことを好きになったみたいだ――

――えっ?ど、どういうこと?――

――そうさ、僕は君のことが好きなのさ。光栄だと思わないかい?――

――そ、そうなの……かな――

――それじゃあ返事を聞かせてくれないかな、ナマエ――

――ご、ごめん!少し考えさせて!――

――いい結果を期待してるよ――



ゴンッ

痛っ!!!何?何事!?

「ナマエさん、授業中寝てはいけませんよ」

目の前にアコール先生が立っていた。
……気のせいか、その笑顔が怖い。

「さぁ、続けますね」

そういって先生は教卓の方へ戻った。
ぼぉーっとしてたら、額の方から短いチョークが落ちてきた。





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