「それで、ナマエは!?どうしたの?」
「考えさせて、とだけ」
実際どうすればいいかわからなかったし。
ほら、よくあるパターンで、返事は少し待ってくれ、とか言うの。
それを真似しただけなんだけど。
「いい?ナマエ」
「何?」
「その返事、よく考えて結論を出しなさい。それがナマエの為だと思いますわ」
「でも……」
「でも、何ていけませんわ!」
「そうじゃなくて……どう考えればいいの?」
その途端、ラフィーナとアミティはずっこけた。
「だ、大丈夫?」
「このくらい、何ともありませんが、ナマエってここまで鈍感だったかしら……
アミティさんはともかく」
「えー?」
そこで二人は倒れた椅子を起こし、座り直す。
「とりあえず、その告白の返事をどうするかを考えなさい……どうしても、
っていうなら、できる限り相談に乗ってあげますわ」
「なんかあったら教えてねー!」
そんな言葉を残し、二人は元の席へ戻った。
やっぱり難しい。恋愛というモノは。
クルークの席に目をそっと向ける。
相変わらず本に熱中していた。
「さぁ、授業をはじめますよ」
アコール先生の声とともに、私の思考は別の方へ飛んでいた。
――ナマエ、話があるんだ――
――何?話って――
――単刀直入に言おう。どうやら僕は君のことを好きになったみたいだ――
――えっ?ど、どういうこと?――
――そうさ、僕は君のことが好きなのさ。光栄だと思わないかい?――
――そ、そうなの……かな――
――それじゃあ返事を聞かせてくれないかな、ナマエ――
――ご、ごめん!少し考えさせて!――
――いい結果を期待してるよ――
ゴンッ
痛っ!!!何?何事!?
「ナマエさん、授業中寝てはいけませんよ」
目の前にアコール先生が立っていた。
……気のせいか、その笑顔が怖い。
「さぁ、続けますね」
そういって先生は教卓の方へ戻った。
ぼぉーっとしてたら、額の方から短いチョークが落ちてきた。
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title bkm?
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