夜。
自室のベッド。
私はそこに寝転がっていた。
今日あったことも同時に考えていた。
「やっと終わったね、ナマエ」
そう言ってくれたクルークの笑顔が忘れられなかった。
なんでだろう。よく分からない。
心臓がいつもより早く動き出す。
もしかしてこれが?
――「……ですわよね。天然系鈍感少女、ナマエですから」――
これが………『恋』………?
いやいやいや。
そうと決まった訳じゃない。
そもそもそんな事ってしらないはずだったのに。
なんでだろう。
そんなことは考えなくても分かる。
クルークの告白という非日常の世界へ足を踏み入れたからだよ。
その領域へ入ったら最後、二度と戻れない。
その世界を知ってしまえば、何もしらなかった自分でも分かってしまう。
恋とはそういうモノなんだと思う。
そんな風に考えても難しいことに変わりはない。
ああっ……もう……。
「どうしようもないじゃないかああああああああああああ!!!」
ゴッ
「痛っ」
叫んだ後、ベッドの上を転がった私がバカだった。
落ちることなんて分かってたのに。
落ちたら痛いって分かってたのに。
……恋だって最初から分かっていれば良かったのに……。
あれ……?
なぜ、心が痛いの?
なぜ、心が張り裂けそうなの?
痛い。辛い。
そんなことが頭の中でグルグルして、視界が霞んで……。
私はその後のことを覚えてはいなかった。
(14/19)
title bkm?
home