Chapter.10


「それで……」


――私はどうしてここにいるんだっけ……?――


今までのことを整理すると。
昨日、雪で遊びすぎて課題を忘れていた。
図書室で放課後、今日の分までやっておく、と言い渡された。
……本当は一緒にやりたいらしいけれど、用事があるから、と言っていた。
そして、現在。私は図書室の入り口の前にいた。
課題は終わらせないと帰れない。
仕方ない。
私は図書室の扉に手を掛け、横に移動させた。



いつも通り、人はほとんどいない。
日なたと日陰の境目にある席に座る。

……おおっ、良い具合に背中が暖かく、机の方に当たっていない!

凄く見やすい。驚きの……いやいやそんなこと言ってる場合じゃない。
そういえば、告白の返事は明日だったなー……いやいやこれも違う。
そうだよ!目の前の課題に集中だよ!!
さて、どうしようか。
手始めに手をつけるとしたら?
私は左手に『ぷよぷよ 基本の積み方』、右手に『ぷよぷよ 連鎖方法』を持つ。
最初に基礎をするのも良し、連鎖して分からないところをするも良し、か。

「どっちの方がいいのかなー……」

悩んでも悩んでもまったく考えが浮かばない。
困ったものだ……。

「ナマエ、悩みすぎじゃないか」

そういう言葉を言うのは一人しかない。
顔を上げる。予想通り、クルークがいた。

「普通、そのどちらかと言ったら基礎を固めて応用に繋げるべきだよ」
「そうなの?」
「当たり前さ。いきなり応用やったって基礎が分からなきゃ意味無いだろう?」

なるほどー、納得。
言われたとおり、はじめるぞー!



数十分後。

「ナマエ、進んだのかい?」
「無理」

応用……というか連鎖方法。
これが難しすぎる。
十連鎖を組めとかどういうこと。
しかもそれを二つ考えなさいとかなにそれひどい。

「まったく、ナマエはこんなのも分からないのかい?」
「それは君が秀才だから出来るんじゃないか」
「基本中の基本だね」
「それはクルークだけだよ、きっと」

ふうっ、とクルークは溜息をつく。

「仕方ない。この天才クルーク様が教えてあげようじゃないか」

あまりにも唐突過ぎて。
つい言っちゃったじゃない。

「お……お願いします!」

クルークは満足そうに頷いた。


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