06


さて、早く戻らないと奴にまた縛られる……
私はアミティ達と別れ、本来居るべき場所(化学のコーナー)に戻った。
……はず、だった。

「あや、クル」
「私の許可も得ず外に出ているとは。いい度胸だな」

なんということ(をしてくれたの)でしょう!
既にあやクルさんが図書館の前に居るではありませんか!殺す気ですか!
……ボケてる場合じゃない、か。
この人の場合やる時は殺りそうで怖い。魔物だしまあ仕方ないとは思うけど。
いや仕方なかったら私即死か。つまりこの人からは余計逃げられなくなる、と
もうやだこの人。早くいつものナルシストに戻れっての。

「答えろ。貴様はどこで何をしていた」
「アミティ、女の子の友達と少し話していただけ」

女子である彼女と話すだけなら、まだ私の罪は軽い。
あながち間違いでもないし、シグのことは面倒になるから話さない方がいいだろう。
取り敢えずそう短く言って踵を返すと――彼の手が、私の腕を掴んだ。

「……私に嘘を吐く気か」
「嘘?そんなもの私は、」
「吐いていないとは言わせない」

あやクルはそう言って私を強く睨む。
まさか見ていたんじゃないだろうね、この魔物。
彼は私の手を強く引く。そして、何も言わず強く抱き寄せた。

「シグ」
「……っ」
「と、言うのだろう?あの時居た少年は」

ああ、駄目だ。私の負けだ。どうでもいいけど見ていたことも確定した。
見ていたってことはつまりストーカーということで変態呼ばわりしてうやむやにして終わらせることも出来なくはなかったけど今回は流石に無理だ。


彼は私を抱きしめたまま、瞬間移動の魔導を放つ。
私は、これからも普通に生きていられるのだろうか。


……………………………
消化不良。ヤンデレよりもギャグ味強し

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(8/14)
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