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「……」
「その様子だと、どうやらよく眠れなかったようだな」

朝、彼は日の出とほぼ同時に牢の中へ入ってきた。
ああ勿論眠れなかったよ。主にクルークのせいで。

「いい加減此処から出してよ」
「まだ反抗的な態度を取る、か。いい加減素直になれ、ナマエ」
「あんたへの素直な感情兼感想がこれなんだけど」
「怖がる必要はない。……他の者に手を出したり出されたりしない限りはな」

それならもうとっくに怒る条件満たしてるじゃん、また面倒になるから言わないけれど。
クルークの入った本を牢に置いたままの時点で「私を怒らせろ」って言ってるようなものだよ。
それとも何?何か別の意図でもあったの?
……もしくは、単純にこいつが馬鹿なだけなのか。

「あのさああやクルさん。私いい加減日の光浴びたいしシグに私の大好きな本貸しっぱなしだから返して頂きたいし、というかそもそも私地上に未練ありまくりなんですけど」
「お前は私だけを見ていればいい」
「最悪殺してあげようか大バカ魔物」


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