08


「かーごめーかーごーめー」
「ねえナマエ……目がものすっごく遠くに行ってるよ?」
「かーごのなーかのとーりーはー」
「……」

ごめんねアミティ。大体隣に居る悪魔のせいなんだ。
この人に三百六十五日二十三時間くらい監視されてるから。……え、残りの一時間?女子更衣室に居る時間とか色々。
でもこいつ曰く「一日に一時間も貴様と離れるなら封印された方がマシだ」らしい。しかもこのセリフ真顔で言ってたんだけどどういうこと。
それほど愛されてるってことですか。お断りだ畜生。

「ナマエ、ちょっと聞きたい事があるんだけど……今は駄目かな?」
「残念だがこいつは私のだ。話があるなら私を通せ」
「今度からあやクルを馬鹿クルに改名してやろうか。大丈夫だよ私これでも生きてるから」

というか生きてなかったら私は一体なんなんだ。
私も私でこんなのにさえ反抗できないなんて。一瞬殴ろうと思ったけれど手をそいつに包まれていたのでできなかった。
……許すまじ、この変態魔物。

「……ねえ、ナマエのオーラがすっごく黒くなってるよ?」
「大丈夫、アミティに向けてる訳じゃないから」
「そういう問題じゃないって!」

さて、殴るべきか蹴るべきか魔導で飛ばすべきか。
少なくとも最後者はやめておいた方がいいだろう。絶対仕返しされる。
……というか、先程からこいつがうなじを撫でる手がかなり癪に障るんだがこれはどうすればいいのか。
これでこいつを殴るなり何かする理由がまた一つ増えた、か。
睨めば微笑みで返される、殴ろうとする手は包まれる、蹴ろうとする足は十中八九机にぶつかる。
だとすれば本気で魔導しかない。でもこいつにそんなものが通用するのか。させられえるのか。
一度魔導勝負でも申し込むか?私の即死か。

「あ、あのー、ナマエ?」
「何」
「ひっ!いや、その……」
「ごめん。ちょっと待ってて」

殺意に先程より磨き(?)が掛かり、声も自然と低くなる。
アミティ、これでも私は一応怒ってないよ。ただ隣の紅を殺そうとしてるだけだから。
もしくは封印、か。こいつがそう簡単に本に入ってくれるとは思えないけれど。

「アミティさん、そろそろ授業が始まりますよ」
「あ、先生!……じゃあ、またあとでね!」

あ。
ドアが開くと同時に、アコール先生が教室に入ってくる。
それにより、私達は会話の中断を余儀なくされた。
……はあ、なんか益々苛立ってきた。
一つ戦争でも起こしてやるか。こいつと一対一で。



……………………
わーんいい文が書けない。

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(10/14)
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