その2「宿題の増加、奴の誘惑」



「「……」」


沈黙、in図書館。
昨日、結局課題をやり切れなかった結果満面の笑みのアコール先生から追加課題を喰らってしまった。
あの時クルークが居なければこんなに大変な状況にはならなかったのに……
あいつを家に入れたことを後悔をしながら、私達はただ黙々と資料と文章を書きだし続けていた。
通常の五倍の量、どこぞの紅い彗星もビックリだよ。
いや、魔道師じゃなくて。


「ひいい、本当に終わるのかなこれ……まだ五分の二しか終わってないよ」
「全く……こうなったのは全部キミのせいだぞ」
「人の家に不法侵入しておきながらよく言うよ」


いつもの喧嘩に発展しそうだけれど、ここは図書館だ。
よって魔道や私語は厳禁である。
分かっている。分かっているけれど。


「……はあ」
「今日は大人しいね。やっとボクに敵わないって認めたのかい?」
「図書館で暴れるわけにはいかないでしょ」


彼はニヤニヤ笑いながら、課題を解き続ける私を見つめてくる。
人が課題解いてる姿を見るのってそんなに面白くないと思うけど……
というか、それ以前に早く自分の課題を終わらせればいいのに。
こいつなんだかんだ言ってもう五分の四終わってるじゃん。
そんなに終わってるなら今日中に提出すればいいのに。
なんで私を待つ必要があるのさ?
この秀才と私が住む世界は悲しいことにだいぶ違う筈なのにさ。
……そう考えるとなんでこいつこんなに私に構ってくるんだ?好きだから?
だとしたらなんでいきなり好きになったんだ?
それ以前にあれは本気だったのか?


「……ナマエ、手が止まってるよ」
「あ」

考えすぎで完全に停止していた手が、クルークの冷たい手で包まれる。
その手はどこか優しくて、また顔がほんのりと熱をもつ。
天才ナルシストのくせに、時々こうやって優しくなりやがるからこいつは気に入らない。
……自分が振り回されているというか、恥ずかしいんだ。こいつと居ると。


「……やっぱりキミにはボクが一番相応しいね」
「なっ、何をいきなり!」
「キミみたいな困ったさんの傍にはボクみたいな天才が居ないといけないだろ?」
「失礼な、クルークが居なくても私はなんだってできるよ!」
「強がらなくていいんだよ。ボクが守ってやる」
「うぎぎぎぎ……」


本しか読まない運動なんてできない奴のくせに、こういう時だけ男の子っぽく見える。
私の方がよっぽど男っぽいって言われるのに。守るのはこっちの方なのに。
……気に入らない。
なのに、なんとも言えない感情がこみ上げてくる。
もやもやする。胸が痛いようでそうでもない。
なんだろう、これ。


「……ふ、ふん。それよりも早く課題終わらせなきゃ。クルークも早くやりなよ」
「ボクはいいよ。キミを待つ」
「じゃあ言い方を変える。さっさと終わらせて帰れ」
「それは嫌だね」
「なんでよ」


ああ、愚問だったかもしれない。というか墓穴掘った。
クルークはクククと喉を鳴らして笑い、私の手から彼の手が離れたかと思えば今度はそれは体に回される。


「な、何をする……」
「ナマエ、今日からボクの元を離れることは許さない」




クルーク、二段オチは反則だよ。



…………………
後で書きなおそうシリーズその2←おいやめろ
結局昨日頑張りましたが駄目でした。
仕方が無いので今日のところは見逃してもらいました……(白目
あとクルークみたいな天才が自分のクラスにも欲しいです。
できればキャラの濃い人で。

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(2/5)
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