その5「掃除機がけ」


「ふう、これで最後か……長かった」
「まだ終わらないのか?ここにあった本は全て読み終わってしまったのだが」
「早。私まだseason5の中巻までしか読んでないんだけど」
「そうか。何なら全ての事件の真相を話してやろうか?」
「全力でお断りします」

掃除の手順その5
「掃除機がけ編」

「さてさて。掃除機がけのコツ……っていっても今回ばかりは何とも言えなさそうだね」
「ああ、機種によってする方法が変わるからな」
「確か大きく分けて引いて吸うタイプと押して吸うタイプの2つだっけ」

最近の外の世界の掃除機は両方OK、っていうのまであるらしいけどそれは本当なのかな?
まあどちらにせよこっちの世界ではまだまだこの2タイプが主流だけど。
むしろ掃除機がようやく販売されだしたくらいだからね。
テレビなんてそんな面白そうなの無いよ。
……この前の異変でDSとPSPは飛んできたけど。

「全体的には……そうだな。範囲を決めて、そこだけを重点的に掛け漏れの無いようにする。それから奥から行うということだろうか」
「なるほど。でもいかにも時間かかりそうな手法だなー……」
「良いのか?そんなことを言っているとこの部屋の本以外のものを全て私の魔導で消してしまうぞ」
「ごめんなさい」

横着してはいけないようです。いや当たり前だけど。

「でもせめてもうちょっと早く終わらせる方法って無い?」
「慣れだな。もしくは大きな掃除機を使うか……はぼきを使うのも良いと聞いたな」
「なにその知名度の低いチョイス」

※はぼき……はたき+箒というなんとも斬新?な代物。
ほっそいマカロニパイプにてゴミを吸い取るため塵や埃しか吸わない。便利。
でもカーペットとかにはあんまり使えない。スキマやフローリングの溝とかに使える。

「取り敢えずはそんなものだ。……早く掃除を終わらせろ、退屈だ」
「はいはい」



「終わった……」

掃除機のスイッチを切り、ばたりとカーペットの上で倒れる。
新年ギリギリ、23時35分。
なんとか……掃除完了!!

「43点、だな。トロい、そして掃除の仕方が甘い」
「無理。あやクルさん掃除選手権で絶対優勝できるよもう」

コツとかいろいろ知り尽くしてるし。
……まあ、確かに勉強になったし感謝はしてるけど。
流石特技が掃除なだけある。
私の特技なんてものを失くす程度だしね。

「まあ良い。それより新しい本を持ってこい」
「ちょ、もう深夜でどこの本屋も空いてないんですけど」
「……チッ」

舌打ち!?
今一瞬不良っぽくなってませんでしたかあやクルさん。

「仕方ないな……ナマエ、私を楽しませろ」
「は!?」
「死にたくないなら私に懇願することだな……ハイドレンジア!!」
「ちょ、うわばああああああああああああああ!!!」


……どうやら、掃除してもしなくてもこの家の部屋は散らかされるらしいです。
もうやだこの魔物。

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(5/5)
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