その2「ベッドメイク」


掃除の手順その2
「ベッドメイク」

「あのー、あやクルさんいきなり何してるんですか」
「貴様の寝床を見ているだけだ」
「変態かお前」

漫才っぽいものをしながら彼に近付く。
どうやら次はベッドメイクらしい。
正直に言うとこのベッドには二段布団がある故間にいろいろなものが挟みやすい。
ということでできれば見られたくない場所である。特にこの人には。
別にあやしいものなんて無い。
小説と心理学の本と懐中時計とその他モロモロがあるだけでそんな如何わしいものが入っている訳ではない。
……ないけど。

「あやクルさん、できればそれだけはやめて頂けないでしょうか」
「掃除するなら徹底的にだ」
「じゃあせめて後でお願いします」
「馬鹿か。埃が舞う仕事は掃除を始める前に、これは鉄則だ」
「ほー……って勝手にそこの本読みだすな!」

ポイント教えてくれるのは有難いけどなんかおかしくないかな。
しかもそれ推理小説だから絶対読み始めたらやる気と時間が無くなるって。

「相○か……」
「そうだよ○棒だよ。それがここにあって何が悪い!?」
「先日この者から聞いたのだが、学校の図書館で冬休み特別貸し出しを行っていたそうではないか」
「それと今のと何の関係があるのさ」
「……確かそれを、season2から9まで綺麗に掻っ攫っていった少女が居たという話が」
「さあ掃除に戻ろう。あやクルさん間違っても探しちゃダメだよってだから読むな!」

話が進まない。
ええそうですよ。その掻っ攫っていった犯人私ですよ。
でもそれだけじゃないよ?劇場版二冊とそれから深層心理学の本とかも借りたもん!
……こいつを喜ばせるだけか。これ以上は黙っておこう

「じゃああやクルさん、ベッドメイクの仕方は?あと本読むのやめい」
「ほう、人の読書中に邪魔をする気か」
「誰かなー人の部屋の時間勝手に巻き戻して掃除教室始めた人」
「……チッ」

そこ、舌打ちしない。
あやクルは本から目を動かさないまま魔導で紙とペンを取り出し、そこにするべきことを書いていく。
そこまで本が好きか。

「えーっと……布団の裏表、上下を確認して交換をして、それからシーツは外して布団に付いたゴミをとり、新しいものを付ける、と」

挟まれたものは取り敢えず床へ、後は書かれた通りに。
確かにベッドはだいぶ綺麗になったけれど、問題はこのあやしい人だ。
一体いつになったら本を読むのをやめて「もう終わったのか」うわあ早い。

……じゃ、片付けいきますか。

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(2/5)
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