「好きなんやけど」
俺は目の前におる相手から告げられた。けど俺には好きな子がおるわけやから必然的に
「堪忍な。俺好きな子がおるんよ」
断る形になってまう。まぁ好きな子がおるのは事実やし、多分相手もわかっとるんちゃうかな。
「その好きな子て、小宮さんやろ?ええよ、わかっとる。ただ、諦めきれんくて。ならバッサリ振られよかなー、って行動しただけやし」
「ほんま、堪忍。せやけど俺んこと思ってくれておおきに」
「ほな、ウチ行くわ!」
そう言って帰って行った相手は多分泣くんやろな。せやけど俺かて好きなんや。ただ、さっきの相手みたく行動出来ないだけで。あぁ、ほんま嫌になる。振られんのがこわくてこわくて、言うに言えへんなんて。こりゃ謙也のことヘタレって言ってられんわ。
少年、告白される
『ど、どないしよう……』
「なにがあったん」
『しら、白石が女の子に告白されてんのを見かけてん。そったら女の子がな、白石はウチのことが好きやって……』
「アンタ、今頃気づいたん?」
『や、やからどないしようって………!』
「ほんま可愛えな杏奈。白石にはもったいないわ」