「小宮、俺、小宮のこと好きやねん」
『え?あ、あー、気持ちは嬉しいけどな?山田んことそーゆー目で見たことあれへんし、ウチ好きな人おるからその、えっと』
「やから俺とつきおうて!」
『山田ウチの話きいとった!?』
隊長、大変です。今俺の想い人が告白されとります。しかも好きな人がおるってほんまですか!うわ、ちょ、本気で凹む!
「ええやろ小宮!小宮は俺と相思相愛やしな!な!」
『は!?なに言うてん山田!ウチお前んことそーゆー目で見たことあれへんて言うたばかりやんけ!』
そ、そうやで山田!小宮やってそう言ってたで!つうか小宮と相思相愛とかなんちゅー勘違いしてるんや山田!小宮が可哀想や!
「またまたー、そんなん言うてほんま照れ屋さんなんやから、俺の可愛い杏奈!」
『な、名前で呼ぶなや気色悪い!大体なぁ、ウチは白石のことが好きなん!お前なんか眼中無いわ!さっさと散れや!』
……………え?
「はっ?白石?なんであんなやつ好きになんねん。俺の方がええ男やん!」
『うるさいわ!ウチはなぁ、中学あがったときからずーっと好きなんや!お前なんかに否定されたないわ!あぁ、もう!さっき散れっちゅーたの聞こえてへんの!?』
そうして山田は去って行く。山田の背中には哀愁が漂っとるがそんなん知らん。
今俺は混乱してんねん!小宮が、俺を、好き?しかも、中学あがったときから?うわ、めっちゃ嬉し…………
少年、少女の想いに気付く
「(相思相愛なんは俺等の方やん)」
『……ウチも白石に伝えようかな……』