『ねぇ泉』

「なんだよ」

『後ろから抱きついてもいい?』

「は?」

『泉の背中………とても抱きつきたい』

「やだよ」

『どうして!』

「どうしても」

『泉の背中に抱きつきたいのーっ』

「俺は抱きつかれたくない(どっちかって言うと抱きしめたい方だし)」

『なんでよもうー!ねぇ、何したら抱きついてもいい?』

「だから抱きつかせねぇって。だいたいなんで急にそんなこと言い出したんだよ。それに答えたら考えてやってもいいけど?」

『泉の背中にときめいたから』

「………(ときめいたって、は?こいつこんなに素直だったっけ)」

『いーずみー?』

「(つーかこいつのこと一瞬でも可愛いとか思った俺って………)」

『んふふふっ!隙ありっ』



ぎゅうっ



『あー、幸せ……』

「ってちょ!?おまっ、離れろよっ」

『やだぁー』

「(胸あたってんだけどこれって役得?)」

『うへへへー』

「…………はぁ、もういいや」



あなたの背中に抱きつきたいっ!



「お前俺に抱きついたんだから俺の言うこと聞けよ」

『えー』

「とりあえず離れろ」

『ぶーっ』

「だいたいなぁ、俺は抱きしめたい派なんだよ」



ぎゅう



『ふぁっ!?』

「ってお前ほっそ!ちゃんと食ってんの?」

『た、たたた食べてますー』

「なにどもってんの」

『………(抱きしめられてまたときめいたなんて言えないだろーっ)』

「顔、赤いぜ?」

『っ!』



--------------------
泉の背中に抱き着きたいのはわたし




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -