※現パロ

クリスマス。世間はこのキリストが生まれたんだか死んだんだかわからないその日に家族や恋人、友人と過ごしているのだが今日の俺には彼女とデートいう甘い予定や友人たちとクリスマスパーティーなどという予定は一切ない。何故ならこのクリスマスに彼女と一緒に過ごすためにバイトも入れておかなかったのにその彼女には1週間前にフラれ、友人たちはバイトだったり恋人と過ごしたりと各々に予定があるからである。

と、いうわけで今日一日なんにもすることがない俺は炬燵にもぐりごろごろとしながらスマホをいじくりまわす。しばらくすると友人の一人であるなまえから着信が。たしか今日なまえは両親とクリスマスパーティーだと言っていたはず。どうしたんだろうなぁと思いながら着信に出た。


『“サンタさんがストライキ起こした”』


そして出た瞬間聞こえてきた一言がこれである。俺は思わず聞き間違いかと思い、もう一度言ってもらうことにした。


「…………ん?ごめんもう一回言ってくれる?」

『“だから、サンタさんがストライキ起こしたの”』

「………………そっか」


なんともまあくだらない理由で電話をかけてきたものだと少し呆れこのまま電話を切ってやろうとしたがこのまま切ってもつまらないので話をきいてあげることにした。俺って優しいなあ。


『“あのね!サンタさんだいぶ昔からストライキ起こし続けてるんだけど今年はすごく欲しいものがあってね!めちゃくちゃ勉強も頑張ったしバイトも頑張ったし今年こそはもらえると思ってたんだけどね!もらえなかったんだよ!?ひどいと思わない!?”』

「……………あー…ソウダネ………」


そりゃあもらえなくて当たり前だと言い返したくなったが未だにサンタさんの存在を信じているらしいなまえに意地悪を言う気にもなれず適当に流すことにした。けどそこまでしてなまえが欲しがるものってなんだ?とふと疑問が浮かびなんとなく興味本意で聞いてみることにした。


「…ねえなまえ、そんなに何が欲しかったの?」

『“それはねー………”』


そこまで言いかけてなまえの発言が止まる。そしてカツンカツンと階段を登る音とピンポーンとインターフォンの鳴る音が聞こえてきた。それと同時に俺の家のインターフォンも鳴った。まさか……と思いながら家のドアを開けるため炬燵から這い出てドアを開けるとそこには綺麗に着飾ったなまえの姿が。着信はいつの間にか切れていた。


「…なまえ?」

『はぁーい、メリークリスマース!一人寂しいクリスマスをお過ごしの尾浜勘右衛門くんを慰めてあげるためにみょうじなまえちゃんただいますいさーん!』

「……………」

『ちなみに私が欲しかったものは尾浜勘右衛門くんなんですねークリスマス1週間前に彼女にフラれた傷心中の尾浜勘右衛門くんを慰めてこの機会に身も心も私のものにしちゃおうという魂胆なのでしたーサンタさんは信じてませんよーお邪魔しまーす』


開いた口が塞がらないとはこのことか。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんかほのぼのでもないし甘くもないし、かといってギャグでもない不思議なものが出来上がりました。尾浜ごめんね、でも尾浜好きだよなんだよわかって尾浜




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -