あの日田島がヒットを打った。それだけのことなのに私の胸はおおきく高鳴ったような気がした。打って、一塁へ走る彼。何故だか目が離せなくなった。そのときから私は彼のことが好きだったんだと思う。

季節は秋になった。私が友達に連れられ見に行った夏大の初戦から三ヶ月ぐらいがたち、新人戦も終わった頃、私は。


「あの、私ずっと前から好きだったんですっ!付き合ってください!」

「お、俺も好きだよ」

「ほんとに……?」


クラスメイトの告白現場に遭遇していた。教室に忘れ物取りに来ただけなのになんで…!しかも両想いだったのかよ!カップル成立おめでとうございました。はぁ、告白出来るとかすごいな。私なんかもう片想いしてるだけで満足って言うかなんて言うかー……告白とか無理。無理!だってあの田島よ?野球部って夏終わってから超モテ始めたじゃん。みんな普通に話したりは出来るけど。私なんか相手にされないって。

つか教室内でイチャイチャしすぎだろ!なんなのよ忘れ物取れないじゃんか!いや別に取れなくても提出日はまだ先だからいいけどさぁあぁ!独り身には痛い!超痛い!……帰るか。


「あれ?みょうじじゃーん。どったの?」


結局忘れ物は取らずに家に帰ることにした。んで近道のために第2グラウンドんとこの公道を通っていたら球拾い中の田島に声をかけられた。


『教室に忘れ物取りに行ったら教室に入れない雰囲気だったから帰ってきた』

「へー、みょうじどんまい!」

『ほんとに』

「じゃ、気をつけて帰れよーっ」

『おー、田島も部活頑張れー』

「へへっ、さんきゅっ!」


てかナチュラルに会話しちゃったけど私の片想いって絶対バレてないよなー。だって私いつもこんなんだし。会話もあんまりしないし。まったく素直じゃないなぁ私。…にしても田島かっこよかった…!普通に練習着なんだろうけどかっこよく見えるよー!


--------------------
残ってたので短編としてうp。一番最初の試合描写は桐青戦っていう裏話。




「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -