殿方が息を引き取ってから数日。わたしは双方の家に文を送り殿方がこの世を去ったことを伝えた。殿方の家の方は深く悲しんでいるのにも関わらず私の事を気にかけてくださって私の家もすぐにでも実家に戻ってくるようにと文が届いた。殿方の亡骸は殿方の家の方で埋葬してくださるそうなのでご厚意に甘えさせてもらうことになり、私は実家に戻ろうかと思ったがお腹の児がいるため何かと理由をつけてその家に留まることにし、そのことを両親は何も言わなかったが少し変な目で見られたことは記憶に新しい。

一人の生活と言うものは慣れてしまえば割と楽なもので、殿方がまだご健在だったころから近所に住む方々と交流もあったし、お腹の児がどんどん大きくなるにつれてそれに気づいてくださったおばさま方がこうしたらいい、ああしたらいいと様々な知恵を分けてくださったこともあり、私はここに残って良かったとしみじみ思うようになった。

そして季節は巡る。私は近所のおばさま方のご厚意のおかげで元気な赤子を出産。性別は男。……そう、この子は亡くなった殿方との子ではなく富松先輩とのとの子である。私は母になれた喜びと愛する先輩との子を産めた喜びでいっぱいであった。


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だいぶ短め




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