私が彼を騙してでも彼の児を孕むと決めてから数日がたった。日にち的にそろそろ排卵が行われるであろうと私は践んでいるので今晩作戦を実行しようと思う。ちなみに私がお慕いしている彼、富松作兵衛先輩の同室の先輩は一昨日から任務に出ているそうで、私は我ながら運がいいなと思った。作戦は今晩、富松先輩の部屋に忍び込みそのまま夜這いかけるというごくごく単純なもの。もしなにもしてこないようだったら授業の一貫なんですとでも言えば流されてくれる………筈。私は今晩が決戦だと思いながら富松先輩を想い、胸を高鳴らせながら夜を待った。




そうして夜が訪れ、私は夜着のまま忍たま長屋に忍び込む。屋根裏から富松先輩の部屋にすんなりと侵入。そして枕元に降り立った瞬間富松先輩から殺気を感じたがすぐに侵入してきた者が私であると気づいたらしく、殺気を出すのをやめて話しかけてきた。


「霜田……?おめぇ何してんだよこんなところで」

『夜分遅くにすみません富松先輩。どうしても富松先輩にお願いしたいことがあって』

「……はぁ?俺、にっ!?………っっ!?」


私は返事を返しながらじりじりと富松先輩に近づいていく。そのことに気づきながらも会話を続けようと言葉を紡ぐ富松先輩の唇を私の唇でふさいで


『はい。突然ですが富松先輩、私とまぐわってくださいな』


私は爆弾を落とし、富松先輩を押し倒してまた唇に触れた。触れるだけの口吸いを角度を変えながら何度も何度も繰り返す。実は初めての口吸いだったわけだが思っていた以上に気持ちがいいもので私の気分は自然と高まっていった。次第に富松先輩も気分がのってきたらしく、先輩の手が私の頭を押さえ、先輩の舌が私の唇の間から入ってくる。私の舌と先輩の舌が絡みあう深い口吸い。気分が高まらないはずがなかった。そうして唇と唇が離れた瞬間、腰が抜けてしまい、富松先輩に笑われた。


「ははっ………おめぇさ……口吸いぐらいで腰抜かしてんなよ………?」

『わっ、笑わないでください!』

「耳も顔も真っ赤。説得力ねえっつの」

『……〜〜〜っ!!!』


そんな会話をしながら富松先輩は少し起き上がって私の体を布団の上へと倒した。そして立ち位置がいつのまにか逆転し、私の視界には天井と富松先輩の顔が映る。


「………ったく、おめぇ俺をその気にさせたんだから責任とれよな」

『……は…い……』


そのとき見た富松先輩は妙に色っぽくて艶めかしくて。今まで見てきた富松先輩の表情より格好良くて、なかなか言葉を発することが出来なかったけれどちゃんと伝わったらしい。

そうしてその晩、私は富松先輩との熱に溺れた。


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な が い




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