私がくのたまの下級生から上級生にあがってしばらくして、家から文が届いた。私は本当は行儀見習い故、下級生まででこの学園を出る予定だったのだが家からの連絡が遅く、上級生にあがってからこの学園を去ることになった。だがしかし学園を出ると言っても家の方の準備であったり学園での手続き等いろいろとすることがあるのであとひと月ふた月はまだ学園にいることが出来るが。ちなみに学園を出たら私は両親の決めた知りもしない殿方に嫁ぐ予定である。それが私の幸せであると両親は言うのだが私にとって知りもしない殿方に嫁ぎ、最終的にその殿方の児を身籠ることは幸せでもなんでもない。ただの不幸だ。私は私のお慕いした殿方に嫁ぎたいのだ。だが家が許してくれるとは思わない。つまり私が何が言いたいのかというと今現在私にはお慕いしている方がいるが振り向いてくれる余地はなく、そんな気持ちのまま知りもしない殿方に嫁ぐことになったこの状況をどうしようかということなのである。

どうせこのひと月ふた月で結ばれたとて彼と夫婦の契りを交わすことはなく、私が密かに育てたこの恋心を捨ててしまうくらいなら、私は彼を騙してでも彼の児を孕み、知りもしない殿方を騙して彼の児に愛情を注ぎ育てていきたい。そう思ってしまうほどに私の心は彼のものなのだ。

もういっそのこと彼の児を孕んでしまおうか。そろそろ生理が終わる頃合いだし、都合が良さそう。だけれど今回を逃してしまえば次はないから一か八かの賭けになるが私はきっと後悔しない。

私はそっと決意して作戦を練ることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
室町時代の女性って子どもを産むのは何歳くらいが平均なんでしょうね。




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -