今現在私は神崎に押し倒されているように見えると言う体勢で、神崎の知り合いらしき人物に目撃され勘違されてしまっているという状況に陥った。いやまあこの状況は非常にまずいんだろうけど私は別に勘違いされようがされてなかろうがいいのよ。だけどね!やっぱり気まずいもんは気まずいよね!


「左門、」

「お?その声は数馬!」

「そう、僕だよ左門。そんなことはいいからはやくそこからどいてあげなよ、みょうじさん困ってる」

「なに!それは悪かったなみょうじ!今どくからな!」

『あぁ………うん……』


そうして神崎は随分あっさりとどいてくれた。とりあえず彼のおかげでさっきの状況から抜け出すことが出来たのでお礼を言いたいと思い、立ち上がろうとしたら、


「あ、はい。掴まって」

『…?あ、ありがとう』

「どういたしまして」


何故か彼に手を差し伸べられ、思わず掴んで、起き上がらせてもらった私がいた。そしてこのとき初めて彼の顔を真っ正面から見たんだけどすげー可愛らしい顔でびっくりしました。可愛い顔して私を起き上がらせられる程の力があるとは………!!あとスルーしてたわけじゃないんだけどなんでこの人私の名前知ってんの?え?もしかしてこの人が噂の「数馬」くん?てかさっき神崎がそう呼んでたわ。思い出した。


「僕、三反田数馬って言うんだ。よろしくね」

『あぁ、私はみょうじなまえです。よろしくどーぞ』


そして私の手は未だに三反田の手の中にあり、三反田は離してくれなさそうなので何も言わず早々に諦めた。


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あと少しだあと少しだ!





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