夜久月子視点


私達の学年が星月学園に入学して約一年がたった。この間、私と小さい頃遊んだことのある土萌羊くんっていう子が転校してきてなんだか毎日がすごく楽しい。羊くんと哉太は未だに仲良くなれないみたいだけどどうしてなんだろう。

そんな中、今日は卒業式。私の二つ上の先輩たちが卒業します。って言っても私は弓道部の先輩としか話したことないんだけどね。ちなみに今は式自体が終わって三年生を見送っている最中。なんか卒業する先輩たちにやけに囲まれたけど錫也や哉太、それに羊くんが助けてくれた。ありがとう。

ふと周りを見渡せば少しだけど桜が咲いていて、もう春なんだなぁとしみじみ思う。先輩たちが卒業して四月になったら私たちは二年生に進級して、一年生も入学してきて…………一年生のなかに女の子がいるといいな、とかちょっと期待したりして。

そんなことを思っていたら、歌が聞こえた。


『教室の窓から桜の雨ーふわり手のひらー心によせたー皆あつめて出来た花束をー空に放ーとうー忘れーなーいでー』


綺麗なソプラノだった。私以外に女の子がいないこの学園でその歌声はとても目立っていて、ざわざわしていた周りはさらにざわざわしだし、私を見る人もいたが私じゃないことを知ると皆その歌声がどこから聞こえてくるのかと、探しはじめた。でも声の主は誰も見つけられないまま歌声は聞こえなくなってしまった。


「綺麗な、唄だったね」

「あぁ。でも誰だろうな?」

「うーん……女の子の声だったし……もしかして四月からの一年生とかかなぁ?」

「流石にそれはないんじゃないか?仮に一年生だったとしてもその子だってまだ学校があるだろ?」

「そうだよね………」


謎の歌声


いつかこの歌声の人と会えるといいな。


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卒業式といえば桜ノ雨、だと思うので歌わせてみました。私の勝手な偏見(笑)





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