そして試合がはじまった。さっき阿部が三橋のために色々言ってて、みんなも本気になったみたいだ。
「“１番セカンド栄口君”」
「しあすっ」
千代のアナウンスで栄口がよばれた。そして三星の投手が振りかぶる。栄口はそれをバントし一塁へ走った。
「うまい！」
「サード前！」
でも栄口が打ったバントはサードが捕らずにピッチャーが捕ってファーストへ送り、栄口はアウトになった。
「このピッチャーって三橋のせいでマウンド登れなかった人？」
「らしいよ」
「試合慣れしてないハズなのに落ちついたもんだなァ」
『じゃあスゲーね、あの人』
「確かに」
次の打席は沖だ。そして阿部、田島と続く打順だけどこの回は阿部で終わりそうな予感がする。とか思ってたら沖アウトになってっし。見てなかったー。これでツーアウトランナーなしで阿部かぁ。打つかな、阿部。
「トライク」
「ストライクツーッ」
「ボォッ」
あー、こりゃ予感的中だわ。次ストライク決められたらこの回終わり。阿部打てよ！そして三星の投手が振りかぶる。投げられたボールは綺麗に落ちてストライクに。あれがフォークってやつ？ものすっげ落ちたけど。阿部も空振ったし。投手ってすげー。
「あ、阿部君、は、はいコレ」
「おお、サンキュ」
「足の、付けます………」
次は三星の攻撃だ。三橋は防具を持って阿部の所へ行った。三橋のやつ足の付けるとか言いながら阿部の後ろに隠れてるよ。阿部は気づいてるけど。大丈夫、なんだろうか。
「オイ。オレの後ろにかくれてもムダだぞ。マウンドにはかくれる場所ないんだからな」
言われたことが図星だったのか、三橋はすこし怯えてたけど覚悟を決めたのか立ち上がり返事をした。
「はいっ」
「よし。他全部やってやるからお前は一生懸命投げるんだぞ！」
『そうだぞ三橋ー。一生懸命投げろーっ』
「う、うんっ」
そして二人して駆けて行った。三星側のベンチをを見てみるとなんかピリピリしていた。超三橋のこと睨んでるがな。こっわ！っと、試合に集中集中っと。ただでさえ野球のルールとかあやふやなんだから試合みて覚えないと！わかんなければ監督に聞けばいいし！
三星の１番打者が打席に立った。阿部のサインで三橋が振りかぶって、ボールを投げた。投げられたボールは阿部の構えた所へは行かなかったけど打者はバットを振ったためにストライク。三星側の人たちは当たっても痛くないとか言ってるけど普通に痛いだろ。硬球なめんなよ。二球目は打ったがピッチャーゴロでアウトになった。
「ワンナウトー！」
「ワン、アウトー」
「おおーっ」
そして三星は２番、３番と凡退でこの回は終了した。
「ナイピッチ！」
「う、うへっ、えへっ」
にしても三橋うれしそー。ナイピッチって言われたことによろこんでんのかな。俺も言ってやろうかな。
『三橋ー。ナイピッチ！』
「うへっ天宮さ、ん、あり、がとっ」
『ありがとなんて言うなよー。っと、次田島かー。打てよ！』
「あったりまえだろ！天宮よーく見とけっ！」
『おうっ』
一回終わって０対０
（野球楽しいなーっ）
（棗ちゃんもやりたい？）
（キャッチボールなら！）
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試合描写って難しいよね。わかりずらかったらごめんなさい(´｀;)