「荷物おろして!すぐアップはじめるよ!」
「はいっ」
三星学園につきました。俺は、まぁ例によって姉ちゃんの制服来てるわけだが朝は特に何も言われませんでした。え、なんで?と疑問に思ったけど時間なかったからスルーした。多分帰りは何か言われそうな予感。とりあえずみんな着替え始めたし俺もジャージに着替えて準備しないとな。
にしてもー、みんな気楽過ぎだろー………って言っても三橋はすげー緊張してんだろうな。たしか元チームメイトのいるところなんだっけ、ここって。さっきから投球練習してるけどコントロール超悪いっぽいし。大丈夫なんだろうか。
「棗ちゃーんちょっとこっち来てー」
『ハイヨー』
あ、千代に呼ばれたから行かないとな。三橋はー……阿部がどうにかするだろ。俺は俺の出来ることをやろう。ルールは未だに覚えきれてないけど雑務なら出来るもんね!
「ねぇ棗ちゃん私うぐいす嬢頼まれちゃった………どうしよう、やったことないのに……」
『え?うぐいす嬢ってなに?』
「アナウンスで打順とポジションと名前を読み上げる人のことだよ。三星学園って男子校らしくてうぐいす嬢いないからって………」
『ま、まじか………お、俺ベンチで色々頑張るから行ってきていいよ!俺にはそんなん出来ん!』
「棗ちゃん………」
『そっ、そんな目で見ないでっ!あ、アイちゃん連れっていいから!俺の癒しだけど連れっていいから!』
「が、頑張る……とりあえずメンバー表見とこうかな」
『そだな』
そうして千代とメンバー表を見はじめてすぐに三橋と阿部が帰ってきてメンバー表を見にきた。どうやら阿部は三星で三橋が誰を知っているのか知りたいらしい。すると三橋を呼ぶ声が聞こえ、そちらを向いてみると三星の投手がマウンドにたち、ボールを握ってみせた。そして振りかぶった。
「ナイスボール!」
「……フォークだ」
「なんでノックでフォーク投げてんの?見してくれたの?」
フォークってナイフとフォークのフォーク………のこと?なんで今それが出てきたんだ?野球用語なの、ソレ。
「田島!」
「ん?」
「お前なら今のフォーク打てるだろ!?」
「オレはどんな球でも打つよ!一試合やって打てなかった球ないもんね!」
今の田島の発言にみんなが感嘆をあげた。へぇ、フォークって今三星の投手が投げたボールなのか。一つ勉強になった。にしても田島今の発言はかっこよかったぞ。あとで褒めてやろう。
「頼むわよ田島君」
「おっ」
「今日は大事な試合なの!」
「大事って?」
「この試合に勝ってはじめて三橋君がホントにうちの仲間になるのよ!」
監督のその言葉に三橋がビクついたがそんなことお構い無しに監督は続けた。
「みんな三橋君が欲しい!?」
「……っっ」
監督待って三橋びびってる、びびってる!そんな三橋の肩を掴み一番最初に声をあげたのは
「欲しい!!」
阿部だった。その言葉にみんなが続いていく。
「エースが欲しい!?」
「「ほっ、欲しい!!」」
「「欲しい!!」」
「おしっ!勝ってエースを手に入れるぞ!!」
「「「「「おーっ!」」」」」
試合開始!
(さて、俺も頑張りますか)
(応援もしよう)
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やっとここまで書けたぜ……!