水谷と監督の犬を触りながら雑談してたらどうやらさっきの投手が投げるような会話が聞こえてきた。


「俺ちょっと見てくるね!」

『あー、いってら』


水谷はあの投手の投げる球を見たいらしい。あ、俺?俺は見ないよ。だって野球はほとんどやったことないに近いから。にしてもこの二、三分の間に水谷と随分打ち解けた気がする。やっぱり水谷はいいやつだ。

そしてしばらくボールを投げる音とボールをキャッチする音が聞こえていた。犬はいつの間にか寝ちゃったよ。そして終わったかと思ったら捕手やってた人が投手にかけよって叫んだ。


「三橋!球種は!!」


捕手の人、目がすげーギラギラしてんだけど。つか聞いたことある声だなー。どこで聞いたんだっけ……?小学校……?いや中学………?そういやこいつらの中に中学の頃仲良かったやつに似てるやつもいたよーな……気のせいかな。でも声聞けば一発なのに……

と、色々思い出そうとしてたらなんかよくわからん勝負がはじまったらしい。バット持ってる人ってさっきニット帽被っててオレンジの生搾りジュース渡されてた人だよな。復活したんだ。

そして投手の人が振りかぶってボールを投げた。ニット帽はバットを思い切り降ったが当たらず。


「バットスゲー下だよー」

「なんだよー見えてねーじゃん!」


あ、今の声水谷だ。もう一人の方は知らん。視線を投手に戻せば投手は二球目を投げ、ニット帽は当てた。けどボールは飛ばずに転がった。


「はいよー」


そして俺が仲良かった人に似てる人がボールをキャッチした。てか今の声栄口じゃね?似てる人じゃなくて本人じゃね?あ、じゃあ栄口に説明頼めばよくね?……………よし、そうしよう。


仲良かった人
(つーか栄口西浦だったんだ)
(全然知らなかった)


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主は栄口、阿部、篠岡と同中で、栄口は主とわりかし仲が良かった。阿部の声をきいたことがあったのは同中だったから。
という今更な設定(笑)




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