「つーかさ、なんで天宮は山菜採りじゃねぇの?」

『や、俺もよく知らん。あ、アイちゃん糞した。阿部、ちょいリード持ってて。袋袋っと』

「あぁ(つかコイツ犬の散歩馴れてんな)」


監督と三橋がキャッチボールするので暇になった阿部と一緒にアイちゃんの散歩中である。ちなみになんで俺がこっち(バッテリーの別メニュー)に呼ばれたかは俺も知らない。監督は一体何を考えてんだ。


「ところでさあ、三橋君はマックス何キロなの?」

「……ひゃく………いちキロ…」


「天宮、俺三橋んとこいってくる」

『おー』


阿部君が三橋たちの方に行ったので俺は三人の会話を聞くことにした。暇潰しのためだけど。


「101キロ!!?ずいぶんおそまつねええ!!」

「三橋にはスピード不足を補うコントロールがあります!」

「はっはは!」

「「!?」」

「阿部君はさァ、コントロールの良さの正体、気づいてるんでしょ?」

「「……」」

「正体……?」

「三橋君」


監督は三橋に呼び掛けたあと足元にあった角材を転がし、その角材を指差した。

「この上でワインドアップしてみてよ」


ワインドアップってあれだろ、ボール持って振りかぶるやつ。あれって角材の上で出来るもんなの?二人はともなんか疑問に思ってるみたいだけど。


「えと、………!!?」


三橋が角材の上に右足を乗せ、振りかぶろうとして左足をもちあげると三橋はバランスを崩したのか派手にすっころんだ。阿部は三橋に駆け寄り監督は三橋をとびきりの体幹だと声をあげて笑った。


「そんなグラグラの体幹でコントロールがいいわけないのよねェ」

「う、うっ」


それからの監督はなんかいろいろ凄かった。ワインドアップするみたいに軸足と反対の足をもちあげつつ角材の上に立ち、コントロールは手でするんじゃなくて体でするんだとか三橋の弱い体幹でコントロールがいいのは全力投球してないからだとか言い切って、阿部をミット?をさせて座らせ三橋に多分球速をはかるやつを持たせ、三橋に見せつけるようになのか振りかぶって阿部が座った所に投げた。その速度に俺もびっくりした。(多分三橋はもっとびっくりしてるよな。だってはかったやつ見んだもん)


「ひゃ……ひゃ……122キロ!!」

「ちゃんと肩つくればもう2〜3キロいくかな?」

「すっ、すっ、すっ、凄い!!はっ、はっ、早いいい!!」

「まーまー」


案の定三橋は監督の投げたボールの球速にびっくりし、目をキラキラ輝かせながら感動していた。うん、まぁ普通に感動するよな。俺はびっくりしただけだけどさ。


「私たちそう体型変わらないよね」

「へ」

「三橋君もこのくらいは出るよ!」

「ええええっっ!」


まぁ確かに身長は同じくらいだけど……ホントに出んのかな。そんなことを体型だけで言うなら俺だって投げられそうじゃね?(俺だって163あるし)つか阿部の目付きこわ!まぁ三橋のコントロール重宝してたみたいだから面白くはないだろうけどそんな目で三橋見んなよ可哀想だろ!そして舌打ちもこわ!


別メニュー
(にしても監督すっげーな)
(あとでこのこと千代に話してみよ)


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三橋くん全力投球するの回までいれようと思ったけどやめて次回にした。
そして阿部とあんまり絡まなかった………




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