「ブン太とジャッカルって仲がいいよね」


俺たちの姿を見た幸村が、にこにこ笑いながらそう言った。
ちなみにブン太は俺の背中にいる。
重くて仕方ない。


「あ、幸村くん!そりゃあ仲はいいぜぃ!だって俺たちダブルスだからさ!」
「うん、二人がダブルスのペアで良かったと思ってるよ」


なんだよ、照れるじゃねぇか。
そりゃ、確かに仲はいいと思うけど、そう面と向かって言われると…。


「でもよー、俺は幸村くんのことも好きだぜ!」
「ありがとう。俺もブン太のことが好きだよ」


なんて返事をしようか、そんなことを考えているうちに俺の話題は終わっていた。


「ところで、なんでブン太はジャッカルの背中にのっかってるの?」
「今な、交渉中なんだ」
「交渉中?」
「ジャッカルが部活の後にマックをおごってくれるって約束してくれたらおりてやる、っていう交渉」


こんなの交渉って言わねぇよ!
うんって言うしかねぇじゃねぇか!


「幸村くんも一緒に行く?」
「え、いいの?」
「…いいに決まってるじゃねぇか」


…まったくブン太も幸村も。






おんぶにだっこ



(え!?赤也も?はっ?仁王も!?金出すの俺かよ!)




2012/03/05


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「見えない臓器の名前は」
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