「リン…ドウ…」


嗚呼、何てことだ。さっきあンなにコテンパンにしてやったというのに、あのクソ野郎もう復活の兆しをみせている。体力馬鹿かよ。クソかよ。ああそういやアンタ年寄りのくせして体力だけはあったな、あーあ、アラガミ化して増すとかチートかっつーの、しかも不幸なことはそれだけじゃない、サクヤさんが背後に、いる。サクヤさん以外の第一部隊メンバーならいい、だけど、あーなンてこった、俺とレンで来た意味がねえじゃないか。ああ、クソッタレ、こんなときに頭に酸素が足ンねえ。立つのがやっとだというのに、それを嘲笑うかのように黒いハンニバルは高く浮く「クッソ」どす黒いものにアイツは雁字搦めにされていた「リンドウさん… !目を覚まして…!」コウタの声もサクヤさんの声も、ソーマの声もアリサの声も、大ボケ野郎の目を覚ますには足りないらしい。なンてヤツだ「今ですよ…」レンが隣で囁く。騒々しかった外野の声が一瞬消えた「これを逃すともう、倒せないかもしれない」そンなことは、わかってはいた。だけど、でも「さあ…この剣を…リンドウに突き立ててください。」アイツの神機だった。これを突き刺せばアイツは死ぬ。それじゃ、ダメだ、アイツを死なせはしない、消させはしない。絶対、この手で、「ーーーーーー!俺のことは…放っておけ…」「リンドウ…リンドウなのね」やらなきゃ。「リンドウさん…」やらなねえと。「まだ、迷っているんですか?あなたは、もう決断したんじゃないんですか…?」ああ、そうだよ、俺は、俺が「立ち去れ…はやく…」うるせえうるせえうるせえ、目障りだ、耳障りだ「いや…もう置いていくのも…置いていかれるのも…いや…!リンドウ…」迷惑なンだ!!!あンたが、あンたのせいで、そうさそうだ「ーーーリンドウに仲間を殺させたいんですか!!!」「もう俺は…覚悟は、できている 自分のケツは、自分で拭くさ」「さあ!この血生臭い連鎖から…彼を解放させてやってください…」笑わせる、ふざけンな。覚悟はできてる?血生臭い連鎖から解放だ?ーー上等じゃねえか。ドスン、地響は鳴りエイジスが、揺れる。


「ここから…逃げろ…!!これは…命令だ…!!」

戦闘態勢に入ってるヤツが言うことじゃねえな、なんて。

「はやく!!この剣で、リンドウを刺すんだ!」


ああ、うるせえなわかってる、わかってるよあーあチクショウ、この神機持つと痛えンだよな。覚えとけよ、クソ野郎


『っあ゛あああぁあ゛あああーーーー!!』


痛い、いたいいたい、始めて神機に適合したときみてえにいたい、いたい、けどっ

『っソが!!!!雨宮リンドウ!!!逃げンな!!!!テメーで勝手に救っておいたくせに!その!テメーが!!生きることから!!!逃げンな!!!っこれは命令だーーーー!!』


お前は毎日生きることに必死で死ンでいった周りのやつらのことなンざ考える余裕なンてねえだろ?そうだろうな、皆大抵そうさ、身近なヤツが死なない限りそう。そうでもしてなきゃ並大抵のヤツは上手く切り替えられず、死ンでいく。アンタはそういうのも上手いンだろうな、だから生き残ってきた。でもな、俺は絶対アンタのこと赦さねえから。アンタは最低なヤツだよ。アンタは俺のことを見捨てればよかったンだ。なのにアンタは俺を見捨てなかった。あげく俺を勝手に救った。親と一緒には死なせてくれなかった。だから、俺も、お前も赦されるべきじゃねえ。ーー…ぜんぶだ、ぜんぶお前が置いてったものこれから置いていこうとしたもン全部かえしてやるよ。そンで、お前にはそれをお前が死ぬまでずっっとだ、ずっとまもり続けてもらうンだ。辛いだろう?アンタには死ぬよりも辛い生き地獄を味わってもらうンだ。ハハどうだ、俺の人生をかけたアンタへの復讐だ。因みに返品は不可、この復讐、受け取ってもらうーー!!!








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