神崎



混乱している俺を知ってか知らぬか、多分前者なんだろうが狐、こんのすけはさらなる試練を与えてきた。歴史を修正しようとしているやつらを阻止すべく刀を過去に送り出してこい?そんなこと言われたって何言ってんだ?って誰だって思うと思うのよ、現に俺もはあ?いやいや落ち着こう、警察はどこかな?とか言っちゃったし。でもこんのすけは本気らしくてこの中から刀を一つ選んでくださいとか何もない空間から刀がでてきたらそりゃー何も言えなくなるよねって、その刀たちどっからだしてきたの、というか一本なのね。全部くれないのね。意外にケチだね。


「お決まりましたか?」
『へあ?!』

「ではそちらの刀で」


ア、アッー…決まってしまった。俺の運命を左右するかもしれないというのに、いや大袈裟かもしれないが最初というものは大切だって言うじゃん?


「それではお呼びください」
『…え、呼ぶって誰を?』

「刀剣男士を、ですよ!」

『ごめんさっぱり何を言ってるのかわからない。あれ?俺が刀を過去に送り出して地殻変動と戦うんじゃなかったっけ?』
「本気で言って…?」
『その目やめて、地殻変動は冗談だから!冗談だから!!歴史修正なんちゃらだろ?!そこらへんは大丈夫だから!』


どうやら俺の信用はゼロだったらしく頑張りも虚しくお布団の上に正座させられて、こんのすけの話を一時間聞かされることになるとは思わなかった。いや説明は有難かったけどね…。



『でもな〜その刀剣男士とやらを呼ぶって具体的に何すればいいわけ?』

「さあ?」


完全に積んだ瞬間である。おいてめえこんのすけこのやろう。やれと言っておきながら知らねえのかよ。というかだよ、まず俺にそんなサマナー的な秘めたる力があるとか言っちゃってたけど、よくよく考えてみよう?その、なんだっけ?眠ってる物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与えられる?だっけ?そんな力本当に俺がもってたら人生イージーモードもいいところだからね?刀を刀剣男士にしろっていうからやってるけどさあ無理でしょ、どう考えたって。


『こんのすけ〜無理だよ無理、俺包丁し…っ?!』

かもったことないと言うつもりだったがそれは目の前に突然現れた男によって憚れた。うそ、だろ?


「僕は歌仙兼定。風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく」


これが記念すべき俺の波瀾万丈審神者生活の幕開けである。





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