「なんで袴?」
「なんでゆりちゃんも?」
『着たかったから?』

「もう!いいから練習行ってください!!」


追い出された皆を見送っていたら風が吹き抜ける、それと同時に江ちゃんの大きな声、耳を塞いでいたらぐい、と引っ張られそのまま転倒。


『これじゃあ江ちゃんがゆりを襲ってるように見えるねえ』
「!?な、何を変なこと言ってるんですか!」


顔を真っ赤にし、急いで立ち上がろうとする江ちゃんに少しだけ悪戯心が芽生えた、立ち上がる彼女の手を引っ張り馬乗りにさせそこからさらに後頭部に手をまわしぐっと近づける、もともと赤みを帯びた顔はさらに真っ赤だ。

『ふふ、ごめんねえ、江ちゃん、ゆりね、江ちゃんのことだあいすき、だよ』


「な…っ?!」


口をぱくぱくさせるその姿は金魚が餌を求めるようで、これ凛がみたら怒るだろうなあなんて、思った。




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