『泣かないで、』


どうして?どうして俺じゃないんだろう、なんで、どうしてよりによってあいつなんだろう、勝てるわけがない、太陽みたいに真っ直ぐで俺とは違う、所詮作り物の太陽じゃ本物には太刀打ちできないってわかってたさ、ああわかってた、でも仕方ないだろ、好きなんだ、ずっとずっと前から、ずっと秋のことが好きだったんだ、やっと会えたんだ、なのに、っなのに、何が王子だ何が天才だ何が何でも持ってるだ、ふざけるな何も持ってねえよ、好きな子一人泣きやませることができない俺のどこに力があるって言うんだよ、なあ、教えてくれよ、かみさま


『秋、笑って、僕が必ず円堂引きずってでもつれてくるから』

「、それじゃあ円堂くんが怪我しちゃうよ、」

『いいんだよ、あれは頑丈だから大丈夫、僕が絶対つれてくるから、だから、だから笑って秋』


「、うん…っ、」



ああ、あいつのために涙なんて流さないで、汚い自分が心底いやになる、


『うん、やっぱり秋には笑顔が似合うよ、』

「、ふふ、千秋院くんったら、」

『本当のことなんだけどね、じゃあ行ってくるよ、秋』

「、行ってらっしゃい、千秋院くん」


ああ、また泣き出しそうな顔して、卑怯でごめんね、でもこれくらい許して必ず円堂引きずってでもつれてくるから、秋の大好きなサッカー大好き円堂をちゃんとつれてくるから、だから、だから、今だけ少し俺も、泣かせて。







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