「 ──百ちゃん!本当に百ちゃんなの?軍人さんになったのね、百ちゃん、昔っから鉄砲撃つの得意だったものねぇ 」

「 私は結局、いつまで経っても籠の中の小鳥≠ネのかも知れませんね 」

「 百之助、全部終わったら……私と一緒に故郷に帰りませんか? 」







[ 名 前 ]
 雛 田 麻 帆 ヒナタ マホ


[ 年 齢 ]
 24〜25歳
 ( 尾形の1つ下 )


[ 出 身 地 ]
 茨城県


[ 誕 生 日 ]
 3月2日


[ 身 長 ]
 158cm


[ 好 き な も の ]
 鶏肉・甘いもの


[ 嫌 い な も の ]
 青紫蘇


[ 容 姿 ]
自作絵参照。
 癖一つ無い艶やかな髪は、細く滑らかな触り心地をしている焦げ茶色。前髪は眉下の辺りで程良く切り揃えており、顔周りも少し短めに調節しているのでスッキリとした印象を与える。
 髪の長さは毛先が腰に到達する程度。商売上、島田髷に結っている事がほぼ常だったが金塊争奪戦の旅に同行するようになってからは下ろした侭にしていたり下の位置で緩く結んでいたり適当に纏め上げて簪で止めたりと、その日の気分や状況によって変化するように。

 瞳の色も極めて黒に近しい茶色だが、陽の光に照らされると微かに黄金色に輝いて見える。垂れ目がちで長く生え揃った睫毛、温和な雰囲気を醸し出すやや下がり気味の眉毛をしており何処かあどけなさの残る顔立ち。
 左の目尻にある泣きボクロが特徴。

 唇は薄めで、薄紅色の口紅を愛用している。
 職業柄、日中出歩く事が殆ど無いというのもあるが日焼けをする体質ではないらしく色白。決して細過ぎず太過ぎず、女性らしい丸みを帯びた身体付き。筋肉が付き難い体質のようで華奢と言うよりは、むっちりとしている部分が多い。抱き締めても抱き締められても柔らかく、ふわりと漂う花のような香りも相俟って安心感を与えてくれる。


[ 性 格 ]
 物腰が柔らかくお淑やか。慈愛に満ち、自分の事よりも他人の事を優先し、その場の状況に応じる柔軟性と包容力を持ち合わせ、観察眼も優れているのか至る方面で気が利く気配り上手。

 常に優しげで穏やかな雰囲気を纏っており、大抵の事を笑って許してくれる。彼女自身、怒るという行為自体が疲れるので余り好きではないし極力声を荒げたくないというのが本音。基本的に怒るよりも窘めたり諭したり平和的な対話を望む。
 自己主張が余り強い方ではなく、押しに弱い一面も垣間見える。

 割と悲惨な環境で生まれ育ったが奇跡的に本人の心根は歪む事無く、父親を反面教師にしたのか『 愛されたいなら、まず自分が愛しなさい 』を信条としており、他人に対して優しく接するように心掛けている。


[ 過 去 ]
 茨城県にて退役軍人の父−丞一朗 ジョウイチロウと街娼だった母−麻美子 マミコの間に生まれた。軍にて足を悪くしていた父は定職に就いておらず、母の稼ぎで何とか生計を立てていたが身体的にも精神的にも疲弊していた母親は彼女が2歳の頃に病死した。
 その後、生活の為に父親も職を探して就いてはみるがどれもこれも長続きはせず基本的にはその日暮らしの貧しい暮らしを強いられる。生活が苦しいにも関わらず、父は酒を呑んでは娘に手を上げる、ふらっと出掛けては数日帰って来ないなど、ろくでもない男だった。

 尾形とは家が近所だった所謂、幼馴染み。彼と年も近い事から物心付いた位の頃から彼の後ろを勝手にくっ付いて回るようになり、尾形家でご飯を食べさせて貰ったり尾形の祖父母の手伝いをする代わりに駄賃を貰ったりとお世話になった部分も多い。
 父にぶたれたり朧気にしか覚えていない母を思い出しては近所の畑の隅っこで一人泣いていた事が良くあり、尾形からは度々『 泣き虫ひよっこ 』と言われていた。

 彼がどう思っていたかは知らないが、彼女からすると尾形百之助という存在に救われていた面は非常に多く、いつか恩返しをしたいと考えながら過ごしていたがある日、父親に金目当てで売られてしまう。別れを告げる間も無く、無理矢理連れて行かれたため必然的に音沙汰無しとなってしまった。
 毎日自分の後ろをくっ付いて来ていた彼女が姿を見せない事に疑問を抱き、彼女の家を訪れた尾形は彼女の父に問うたところ「 邪魔だったから売った 」とだけ答えられた。

 彼女は売られた後、年頃になるまで娼館の小間使いとして働く傍ら、先輩芸者に芸を教わって各地を転々としたりもしたが最終的に札幌に身を落ち着けた。芸名は【 雛菊 ヒナギク

 尚、彼女の生家は彼女を売り払った数日後の夜中、不審火により全焼している。酒に酔って寝ていた父が気付いた時には火の手が回り、足の悪い父は逃げる事も出来ず焼死したという。


[ 備 考 ]
 小間使いとして働いていた歴もそこそこ長い為、雑用雑務を初めてとして家事一般はそつが無くこなせる。芸者として培って来た人心掌握術と持ち前の性格によって情報収集役にも向いている為、聞き込みには役に立つ。

 言わずもがな彼女にとって尾形百之助は初恋の相手。これまで何度か良いお客との縁談を持ち掛けられたりした経験もあるが、お別れすら告げる事の出来なかった初恋を未だにずるずると引き摺っており、どんな条件の良い話でも首を縦に振るなど出来なかった。

 尾形の出自については彼の母親の様子が普通と違う事も気付いており、彼本人や彼の祖父母からもやんわりと話を聞いていた。当時は子供だったので良く理解出来ていなかったが大人になり、そうして芸者となった今ようやく理解出来たという。

 幼い頃は尾形の事を【 百ちゃん 】と呼んでいたが、流石に大人になってそう呼ぶのは尾形も嫌だろうと【 百之助 】呼びに改めた。しかし咄嗟に昔の呼び方が出てしまう事もある。

 一人称は【 私 】、二人称は基本的に【 貴方(貴女) 】、三人称は【 あの人 】【 あの子 】
 基本的に敬語で話すが、年下相手や尾形には砕けた話し方をする事も。いずれにせよ口調は柔らかい。


[ 設 定 ]
 尾形が茨戸にて土方一派に加わる少し前、札幌に立ち寄った際に『 変な刺青の男を見たと言っていた芸者が居る 』という情報を仕入れ、会いに行ったのが始まり。話だけ聞いてすぐに去ろうと考えていた尾形だが、いざ会ってみるとそれは幼少の頃に生き別れた彼女だった。

 予想もしていなかった再会に両者驚きは隠せなかったものの昔話に花が咲き、そうして現在 金塊争奪戦 ≠ェ勃発している事を知り、夜は着々と更けて行く──。
 そろそろ宴も酣か、という頃に尾形が一言「 連れて行ってやろうか 」と冗談混じりに発した事で彼女が首を縦に振った為、夜闇に紛れて彼女を連れ出した。その際、異変に気付いて追って来た男衆を何人か撃っている。

 そうして彼女は金塊云々に興味など無いが、ただただ尾形に着いて行きたい一心で金塊争奪戦に身を投じた。

 因みに彼女が言っていた刺青の男は彼女自身が相手にしたお客では無く、今はもう辞めてしまった先輩芸者が相手したらしい。( 一応、彼女も途中まで場には同席していた )後で分かった事だが、その人物は白石由竹だった。

















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