49.真選組動乱篇4
爆音が鳴り響くなか、新八くんが運転するパトカーは華麗に爆撃を避け、近藤さんが乗っているだろう車輌を目指す。


その際、土方さんを銀ちゃんが座席から蹴り落とたけど、土方さん基トッシーはドアに掴まりながら引きづられている。


指圧すごくない??え??まじでここの人間ヤバくない?とか思ってる時に、原田さんたち、みんなが駆けつけてくれて、いよいよ、全面戦争が始まる雰囲気がビシビシと伝わってくる。



「バズーカの使い方わかるか?」
「うん」
「おめェもやりな」


銀ちゃんから再度バズーカを渡され、私も敵組織に向かって1発バズーカを放つ。


何も分からない世界で、疑うこともせず居場所を作ってくれた近藤さんを守るためなら、私は自分の手を汚しても全然構わない。



「銀ちゃん!あれ!」


私は近藤さんを見つけ、銀ちゃんに教える。
銀ちゃんはバズーカを放ち、恐らく外から鍵がかかっているだろうドアをぶち壊した。


ってか、アレ、近藤さん大丈夫かな?生きてる?


「近藤さん無事ですかァ!」
「ダメネいないアル。ゴリラの死体が一体転がってるだけネ」
「違うよ神楽。アレが近藤さんの本体だよ」
「マジでか!」


私と神楽がゴリラの死体について語っていると復活した近藤さんがうるさいぐらい喚いている。


「ちょ!なるちゃんがなんでこんな場所に!?」
「暗殺されそうな所を万事屋さんに助けられました!」


そうあの時、銀ちゃんたちに合わなかったら私は他の伊東派に殺されていただろう。運が良かった。


「そうか。すまねぇトシ、なるちゃん。俺ァ戦死した。本当にすまねェ」


近藤さんは土方さんが妖刀によってヘタレたオタクになってしまい、今までの行動がそのせいだということに気づいた。仲間同士で殺り合うのはたくさんだと···。裏切られても自分を暗殺しようとしていた人達を仲間と呼ぶこの人はどこまでいってもお人好しのままだろう···。


近藤さんは自分が戦死したことにして闘いをやめて欲しいと言っているが、きっとそんなことを言ってもこの闘いは終わらない。これは真選組を潰す作戦なのだ。土方派だと思われる刃向かってくる隊士は殺すだろう。


「あーあヤマトの諸君。我等が局長、近藤勲は無事救出した。勝機は我らの手にあり。局長の顔に泥を塗り受けた恩を仇で返す不逞の輩、あえて言おうカスであると!今こそ奴らを月に代わってお仕置するのだ」
「え?セーラームーン?」
「真選組副長土方十四郎ナリ!!」



無線機を手に取った土方さんは、近藤さんが戦死したことを告げず、逆に救出したことを告げた。所々オタク的要素が満載だったけど···。



「1度折れた剣に何が護れるというのだ。土方君、君とはどうあっても決着をつけねばならぬらしい」


攘夷浪士であろう人のバイクの後ろに乗っている伊東さん。


「剣ならここにあるぜ。よく斬れる奴がよォ」


妖刀であろう刀を抜こうとする土方さん。呪いでなのかなかなか鞘から抜くことが出来ない。


「万事屋ァァァァ!!」
「なんだ?」
「聞こえたぜェェ、てめーの腐れ説教ォォォ!!偉そうにベラベラ語りやがってェェ!!てめーに一言言っておく!ありがとよォォォォォ!!」


あ、いつもの土方さんだ。良かった···。


「俺は真選組副長土方十四郎だァァァ!!」
「銀ちゃん、ありがとう」
「それは終わってからいいな···」
「うん」



私は銀ちゃんにお礼を言うが、この闘いが終わってから言えと頭を撫でられた。その手つきが優しく、少し不安になってた気持ちが柔いでいく。



「潮崎!てめーはマヨネーズを粗末に扱ったこと覚えとけよォ!」
「なんでそこ覚えてんですか!」


いや、さっきまでトッシーだった時の記憶無かった癖になんでマヨネーズ捨てたことだけ覚えてんの!?マジでマヨネーズに頭侵されてるじゃん!


近藤さんがパトカーに乗り移り、土方さんと伊東さんがパトカーの後ろのほうで殺り合う。


「土方ァァァ!!」
「伊東ォォォ!!」



ガタン!


「んげェェェェ!!車輪がァァァ!!」


伊東さんは土方さんじゃなく、パトカーの車輪を狙っていたらしい。車輪が外されパトカーのバランスが崩れる。


「オイ後ろォ!!」


土方さんの声で後ろを振り向くと、後ろから走ってきた列車にパトカー自体が潰されそうになっていた。


このままじゃ、みんな潰されて死んじゃう···!


「あぶ···おごぉぉぉぉ何してんだァァァ!!」


潰されそうになったところを土方さんが体全体を使って間一髪、潰れそうになることを免れた。


「すごい!土方さん!凄いですよ!」
「褒める前に手伝いやがれ!」
「いや、無理です」


私が手伝えるのは迫り来る敵を倒すことぐらい。


「なる!私に任せるネ!」
「神楽」


神楽が手伝いに来たのなら、潰されることはきっとない。


「トッシー後は任せるネ!何も心配いらないネ」
「おかしいィィィ!!何かおかしィィ!!」


神楽は土方さんのお腹の上に乗って列車を食い止めようとしていた。うん、たしかにおかしい。おかしいけど、土方さんの腹筋もおかしい。


「っ!神楽ァ!」


私は神楽の後ろに現れた敵に気づき、バズーカを構えるが、間に合わない。


ドゴォォ!


敵が神楽に刀を振りかざした瞬間、後ろの車輌のドアが蹴破られた。


「近藤さん、さっさとこっちへ移ってくだせェ。ちぃと働きすぎちまった。残業代でますよねコレ」
「総悟!!」


ドアを蹴破ったのは1人で伊東派の隊士を相手していた沖田さんだった。


沖田さんが現れた車輌の中はきっと先程まで息をしていた人達が無造作に転がっていた。周りの爆撃の臭いとは違う鼻につく鉄の臭いが鼻をかすめ一瞬、胃酸が上がってきた。血で染まった車輌から出てきた沖田さんを一瞬怖いと思ってしまったが、腕を押さえ、肩で息をしている沖田さんを視界に捉え、怖いだの思っている場合じゃなくなった。


生きてた、目の前に辛そうだけどしっかり両の足で立っている···


「っ··-沖田さん!」


土方さんのお腹を踏みつけて私は沖田さんに抱きついた。沖田さんは怪我をしているのに突然抱きついてきた私を刀を持っていない腕でしっかりと抱きとめてくれた。


「えらく、大胆じゃねぇーか」
「···生きてた。無事で···よかった」


1人で敵に対峙する沖田さんを捉えてから不安だった。死んでるんじゃないかって···。でも今、抱きとめられた胸から聞こえる心音を聞いて、安心した。ちゃんと生きているって···。


そして気づいたんだ、私、沖田さんのこと、好きだったんだって···。





戦場の中自覚した恋心
(闘い中にイチャついてんじゃねぇ!)(旦那ァ嫉妬はやめてくだせェ)

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