40.ミツバ篇2
「大親友の坂田銀時く···」

「なんでだよ」


銀ちゃんにパフェを奢るためたまたま入ったファミレスで出会った沖田姉弟。銀ちゃんは何故か沖田さんの大親友でミツバさんに紹介されていた。真顔でツッコミ、沖田さんの顔を机に叩きつける銀ちゃん。銀ちゃんはめんどくさいことに巻き込まれたかと思い、去っていこうとした時、沖田さんがチョコレートパフェを3つ頼むことによって、すんなり元の席に戻る。ホント現金な人だ。ま、沖田さんの奢りだからいっか。



「友達っていうか俺としてはとう弟みたいな?まァそういう感じかな、なァ総一郎くん」

「総悟です」


銀ちゃんはペラペラ喋っていく。名前間違えてるけど。


「旦那頼みますぜ、姉上は肺を患ってるんでさァ。ストレスに弱いんです」


近藤さんから私も聞いた。ミツバさんは肺が悪くストレスに弱いと···。だから今、ミツバさんに心配かけまいと、銀ちゃんに下手くそな演技をお願いしているのだ。



「そうだ総ちゃん」

「なんですか姉上」

「総ちゃん恋人はいないの?」

「ぶっ!!」


ミツバさんの発言に飲んでいたドリンクを吹き出す沖田さん。汚い···。


口元を拭いている沖田さんと目が合う。あ、これは嫌なパターンだ。



「なるさんたんてどうかしら?」

「ん?」

「え?」

「お···!」


ミツバさんと発言に固まる私と沖田さん。何故か楽しそうな銀ちゃん。


思っていた展開と違う!ここでは私と沖田さんが恋人同士という嘘をつくはずでは!?目が合ったときそんな感じだったよね?


「なるさん、少しお話してていい子だと思ったの。総ちゃんのこと支えてくれそう。なにより可愛いと思うし、総ちゃんの好みの女の子だと思うのだけど···」


普段から可愛いとか言われて無さすぎて、嘘偽りのない言葉で言われれば、当然照れるわけで···、んん、恥ずかしいというか絶対顔赤い!



「こういう反応の子好きでしょ?」


ミツバさんも案外ドSだったりするわけ?


ちらりと沖田さんの顔をみると、驚いた顔をしながら口をモゴモゴさせながら目を泳がせていた。うわ、こんな沖田さん初めてみる。お姉ちゃん、強すぎる···。



「まぁそのうち恋人同士になりますよ、お姉さん」


少し微妙な空気を変えたのは銀ちゃん。


そのうちって···そんな予定ないんですけど。


「あら、そうなのね」


柔らかく笑うミツバさん。
すみません、全くそうなる予定ないんです。と心の中で謝っておく。


「なるさん、そこのタバスコとってくれる?」

「あ、はい」


窓側に座っていた私は、タバスコをとってミツバさんに渡すと、あろう事か、ミツバさんは銀ちゃんのチョコレートパフェにタバスコをかけ出す。


「お姉さんんんんんん!!コレタバスコォォォ!!」

「総ちゃんがお世話になったお礼に私が特別においしい食べ方を教えしようと思って。辛いものはお好きですか?」

「いや辛いものも何も···本来辛いものじゃないからねコレ」

「やっぱり···ケホッ嫌いなんですね。総ちゃんの友達なのに」

「好きですよね旦那」



タバスコ丸々1本かけたパフェを食べることを強要する沖田姉弟···。


沖田さんは自他も認めるドSだけど、ミツバさん···天然のS?


銀ちゃん···今までありがとう。


私は目の前と隣で繰り広げるコントを客観的に眺めていた。


まぁ、突然隣でタバスコを吹き出すミツバさんには心底驚いたし、それをみた銀ちゃんが机にダイブしてきたし、もう今すぐ帰りたい。





ドSは遺伝
(次は江戸の街を見てみたいわ)(行きやすぜなる、旦那)

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