直ちゃんから/Lunch(丸井ブン太)



Lunch











只今の時間  午前11:30

鬼の 山田先生の授業で教室内は静まり返ってます。



なのに私ってば寝坊しちゃって 今朝はご飯抜き。



 

やばい

お腹なりそう・・・





こんな状況で お腹が鳴っちゃったら間違いなくクラス全員に聞こえちゃう。


しかも昨日の席替えで ずっと片思いしてた彼の隣の席になっちゃったし。



昨夜はすごくラッキーで幸せで 眠れなくって
朝になっても まだ信じられなくって
まだこの状況が夢なのかもって思ってたけど・・・


隣の席の彼を見て確認する。




現実だよね。




これは絶対にお腹の虫なんか鳴らすわけにはいかないよ〜!!




でも こればっかりは気合でどうにかなるもんじゃないし。
だけど隣の席になれたその日にそんなカッコ悪いイメージ付いちゃうなんて絶対にヤダ!!


死んでも嫌だよ〜!!



隣の彼に そっと目をやる。




珍しく大人しく授業を聞いてるなぁ、なんて思ったら目を閉じながら音楽を聴いてた。


明るい赤色の髪がサラサラと風に揺れて
大きな瞳が閉じられてるせいか いつもより大人っぽく見えてドキドキした。







「マツゲ・・・長っ」







独り言をつぶやいて その横顔に見とれてると
大きな瞳がこっちを見て言った。









「オイ、さっきからチラチラなに見てんだよ?」

「え、えっと・・・」

「なに?」








イヤホンを外しながら
美味しそうな匂いをさせてブン太がガムを噛んでる。

ちょっと・・・
そんな匂いをさせたら ますます空腹中枢が刺激されてお腹空いてくるじゃん!!









「ガムちょーだい?」

「はぁ?」

「はぁ?じゃなくって・・・私にもガムをわけて?」

「ムリ。」








いやいやいや、意味わかんないし。









「何でよ?」

「残り少ねぇんだよ、お前にやると部活の時の分無くなっちまうだろぃ。」

「一日くらい無くったって・・・」

「ムリ。」

「ブン太のドケチ。ケチケチ大ケチ!!」

「あ〜うるせぇ!!わかったって。じゃあこれやるよ。」

「なに?」

「いいか?これは今のオレには無くてはならない大事なモンだ・・・やるよ。」









真剣な顔で何かを握りしめた手を差し出した。







「やっぱり ブン太やさしい!!ありがとう。」

「おぅ。」







そんな大事な物じゃ勿体無くって食べれないなぁ〜vvなんてニヤけながら
差し出された物を両手で大事に受け取った。








「って、これガムの包み紙じゃん!!」

「今のオレには必要な物だろぃ?」

「ブン太のバカ!!」








喜んだぶん悔しくって 包み紙を丸めてブン太に投げつけた。

大体、誰のせいで遅刻しかけたと思ってんのよ!!

朝から髪を巻くのに手間取って すこしでも可愛く見られたくってリップの色も迷って
朝ごはんも食べる暇が無い位に ブン太の事ばっかり考えてたって言うのに

ブン太は 私にはガム1個もくれないんだ。

私なんてブン太には どーでもいい存在なんだよね。

涙が滲んできて そっぽを向いた。









「んだよ、そんな怒る事無いだろぃ。」

「・・・。」

「なぁ、って。」

「・・・・・・・・・・。」

「しょーがねぇから 昼飯おごってやっからさ。」

「ほんと?!」

「いきなり機嫌直ってんじゃん。(笑)」








笑顔でブン太に答えると ほっとした顔で頭をかいた。








「今日 朝メシ食ってねーから もう限界だぜぃ。」

「ブン太もなの?」

「ちょっと緊張しちまって・・・」

「緊張?」

「好きなヤツが隣に座ってんだぜぃ?緊張すんだろーが。」

「え?ブン太もなの?!って言うか、隣って・・・・?」








ビックリして聞き返して それからブン太の隣の席を確認する。
ブン太の席は一番右端でローカ側の後ろから2番目。




隣の席って左側の私だけだよね?



真っ赤になった私に
さっきブン太に投げつけたガムの包み紙が飛んで来てオデコに当たった。








「イタッ!!」

「【ブン太も】 って事はお前もかよ?つーか・・・隣って、どっちの席の事言ってんだ?」








オデコをさすりながらブン太を見る。








「あっち側って言うんなら・・・絶対に許さねぇからな。」

「許さないって?」

「・・・・・・お前にはもう、昼飯おごってやんねぇ。」

「それは ヤダ。」

「じゃあ、オレの事 大好きだって言え。」








END



「ブン太 大好きvv」 

「おぅ。」

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