うみへ/遠距離愛(仁王雅治)



「逆に羨ましいかもなぁ…それってどんなに離れてても愛せるってことだろぃ?」

「…嫌みか?」



相談した相手を間違ったかもしれんと後悔するも遅かった
なぁ?と隣に座っている彼女に笑顔を向けて同意を求める丸井を見ていると腹立たしい感情と共に羨ましいと思ってしまう



「お前さんも、この丸井からパフェを奢ってもらうなんて相当羨ましいのう…」



丸井の笑顔に照れながら隣にちょこんと座っている彼女にそう言い残して俺は席を立った

俺が帰る事にさして気にする様子もなく、丸井は彼女との会話を楽しんでいる


周りが見えてないのか?
少しは俺を気遣って欲しいもんだな…






そんな過去の記憶を、華子を強く抱きしめている時にふと思い出した。

周りには沢山の人

俺達を見てる奴は沢山居た



「ククッ…」

「…どうしたの雅治?」





あぁそうか…



俺も周りが見えてないのか





「ねぇ、どうしたの?」

「…なんでもなか」



そう言ってキスを落とした






遠距離愛
(愛しすぎるってのも困りもんぜよ)



*END*

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