五十嵐 奏様へ/甘え上手(仁王雅治)
膝に当たる彼の髪の毛が風に揺られて動く度に
とてもくすぐったかった
「華子…」
「ん〜?」
いつもは素っ気ないくせに
今日は突然「膝枕してくれ」なんて言い出すんだもんなぁ
…ズルい///
そんなことを思いながら彼氏である仁王をそっと見ると、目を閉じたままだった
「なーに?」
「お前さん、俺のこと好きか?」
…へ?
「え!?…う、うん///」
「ちゃんと言ってくれんとわからんぜよ…」
そう言って、私の長い髪の毛先を持って軽く引き寄せた
「えっと〜…す、好きです///」
「俺も好いとーよ…」
そう言うと、彼は私の言葉に満足したのか
再び目を閉じて眠り始めた
「…んで、どうしたの?」
私は仁王の頭に軽く手を置きながら、呆れ声で尋ねる
仁王から甘えてくる時は、決まって何か嫌なことがあった時なのだ
彼は暫く黙っていたが、私が返事をずっと待っているのを感じると
ようやく観念して口を開く
「…真田に怒られた」
「アホ…」
そう言って、私も仁王の尻尾を軽く引っ張ってやった
*END*
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